「豊作=国の繁栄・国民の平安」-五穀豊穣を祈る「祈年祭」、伊勢神宮で

「豊作=国の繁栄・国民の平安」-五穀豊穣を祈る「祈年祭」、伊勢神宮で厳かに

「豊作=国の繁栄・国民の平安」-五穀豊穣を祈る「祈年祭」、伊勢神宮で厳かに

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 春の耕作始めの時期を前に五穀豊穣を願う「祈年祭」が2月17日、伊勢神宮外宮(豊受大神宮)・内宮(皇大神宮)で厳かに執り行われた。

参道を歩く池田厚子神宮祭主、五穀豊穣を祈る「祈年祭」

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 祈年祭の「年」の字は稲の意味を表し、古来より「豊作」=「国の繁栄」「国民の平安」に通じるとされ、国民が飢えず食足りるようにと、農作業、特には米作りが始まる前に、五穀豊穣を祈願して行われてきた。別名「としごいのまつり」。

 「神嘗祭(かんなめさい)」、6月と12月の「月次祭(つきなみさい)」の「三節祭」に、「祈年祭」と「新嘗祭(にいなめさい)」を加えて「五大祭」と呼ぶ。秋の収穫に感謝する「新嘗祭」と対の形で古くから重要なおまつりの1つに位置づけられている。

 もともと神宮の祭りの本義は、神恩感謝し国家の繁栄と国民の幸福を祈願する天皇に代わって行われるもので、かつては斎内親王(いつきのひめみこ)が天皇に代わり神宮に仕えていたが現在では、神宮祭主が天皇の御名代(ごみょうだい)として仕えている。

 同祭は、天照大神をはじめとする神々に食事をお供えする「大御饌(おおみけ)の儀」と勅使により天皇陛下からの幣帛(へいはく)の奉納「奉幣(ほうへい)の儀」が外宮・内宮でそれそれ、池田厚子神宮祭主、鷹司尚武大宮司、高城治延少宮司ら神職によって執り行われた。

 この日の伊勢志摩地域の天気予報では正午過ぎからは雨。祭典は、傘を手に持つ参拝者らに見守られながら粛々と進められた。祭典が滞りなく終了すると、高くそびえる神宮杉の空の彼方から、稲作に欠かせない恵みの雨が降り始め、伊勢神宮の森を濡らした。

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