伊勢湾口部に位置し、三重県内最大の離島「答志島」に宿泊し、離島の生活を疑似体験するツアー「答志まるごと体験フェスタ」が3月7・8日、同島内で行われ約130人が参加した。主催は、鳥羽市観光協会(鳥羽市大明東町)などで組織する同実行委員会。
同フェスタは、島内の歴史と絶景を散策するトレッキング、塩蔵ワカメ作り、干物作り、海藻しおり作りの体験と1泊3食付きの宿泊プランで、島の暮らしを多くの人に知ってもらおうと企画。2月21・22日に第1回目が開催され、今回と合わせて延べ約270人が参加した。
鳥羽港から約2.5キロ離れた北東に位置する同島は、答志・和具地区の答志町と桃取町の集落があり、合わせて2,594人(773世帯)が住む。同市には同島のほか、三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台となった神島に菅島、坂手島の4つの有人離島があり、合計4,243人(1,435世帯)が住み、漁業などを中心に生活をする(データは2010年12月末日現在)。
参加者は4グループに分かれ、それぞれの体験プログラムをこなした。塩蔵ワカメ作りは取れたてのワカメを熱湯の中にさっと入れ冷水で冷まし素早く塩漬けにする作業を、干物作りはアジを開き天日干しに、海藻しおり作りは思い思いのデザインで小さな海藻をきれいに並べた。島内トレッキングでは鳥羽城主・九鬼嘉隆が関ヶ原の戦に敗れ自刃した首塚や胴塚の史跡を巡ったり、港で塩蔵ワカメを作る漁業者らの作業などを見て回った。
四日市市在住の夫婦は「昨晩の旅館での食事もとてもおいしく食べきれないほどだった。盛りだくさんの体験プログラムもあり、1人9,000円の料金はとてもお値打ち。イベント会場で食べたじゃこ飯と大海老汁もとてもおいしく忘れられない味となった。島民の心からのもてなしがとても印象的だった。来年も参加したい」と感想を漏らした。
答志島旅館組合(答志町)の橋本喜洋弘組合長は「今回のイベントには多くの人に参加していただきとても感謝している。これから何度も足を運んでいただければ」とPRする。「『答志島和具浦漁港の塩ワカメづくり』が2001年環境省の『かおり風景100選』に選ばれた。2月から4月下旬まではワカメ漁が最盛期。ワカメのしゃぶしゃぶやメカブがとてもおいしいこの時期に多くの人に訪れていただきたい」とも。
同島へは、鳥羽港佐田浜から運航する鳥羽市営定期船で行くことができる。昨年4月から、4島を循環する内回り(鳥羽、菅島、答志、和具、鳥羽)と外回り(鳥羽、菅島、神島、和具、鳥羽)の2コースの高速船も就航。今年4月1日には新しく鳥羽マリンターミナルが完成する。