巨大えびす像の鼻、何者かに取られるー志摩市浜島の恵比寿神社

巨大えびす像の鼻、何者かに取られるー志摩市浜島の恵比寿神社、犯行は1月20日の祭りの後と断定

巨大えびす像の鼻、何者かに取られるー志摩市浜島の恵比寿神社、犯行は1月20日の祭りの後と断定

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 1月20日、志摩市浜島町の恵比寿が丘の上に鎮座する巨大えびす像の鼻が何者かによって壊される事件が起こった。三重県警は器物損壊事件として捜査を開始。現在、不審人物がいなかったか周辺住民から聞き取りを行っている。1回目の犯行は同日の18時~20時と推測、その後も複数回、複数の人物によって削り取られている模様…。

巨大えびす像の鼻が何者かによって破壊された犯行現場

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 と、本来は悲しいニュースになるはずだったのに、ここ漁師町の人たちは誰もそうはしなかった。むしろ祭りとして文化として笑って昇華させた。刑法第261条・器物損壊罪は「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料に処する」と罪は重いのに…。

 えびす像は、宇気比神社の境内にある恵比寿神社(志摩市浜島町)の真横にあり、高さ約2メートルのコンクリート製で、左手に赤いタイを抱え南の方角にある太平洋を向いている。福を呼び込もうと同像を囲み海に向かって「ワッハッハ」と初笑いする「初恵比寿大祭」が毎年1月20日に行われる。

 えびす像の鼻を誰よりも先に取ることで、競争相手を抜きんでる(ハナを取る)ことができると験(げん)を担ぎ、誰にも見つからないでハンマーなどでたたいて鼻を取る。毎年新しく鼻を付け替えても翌朝には鼻が欠けて無くなることから「鼻かけ恵比寿」と呼ばれるようになった。

 同神社の横山比乃宮司は「昨年は3日ほど取られずきれいだったので、誰も取りに来ないのかと『心配』していたがその翌日にはごっそりと無くなっていた。今年は祭りが終わって、16時ごろえびす像を見に行った時にはまだきれいにあったが、20時ごろ再度見に行った時には親指ほどの大きさが削られていたのでとても早い『犯行』だった(笑)」と証言する。その後の21日、22日にも少しずつ何者かによって削り取られていた。

 2010年に聞いた前宮司の故西井憲三さんによると、現在のえびす像は1934(昭和9)年に作られたものだという。「この町は漁業で成り立っていた。よく当社にも大漁祈願や航海の安全祈願をしに来てくれたものだった。そんな漁師たちの思いを受け入れた寛容さが当時の人たちにはあったのでしょう」と説明していた。

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