温暖な地域で育つ真珠の養殖に最適な伊勢志摩地方に2月14日、初の大雪警報が発表された。
気象庁津地方気象台(津市)では、三重県内を北中部(北部・中部・伊賀)と南部(伊勢志摩・紀勢東紀州)と2~5の地域に分けて気象情報を発表。同気象台の1962(昭和37)年から残る記録によると、南部地方に大雪警報を発表したのは今回が初めてという(1962年以前の記録は残っていない)。ちなみに、北中部地方には2011年1月16日・17日、中部・伊賀地方には1995年12月25日に発表して以来。今回の大雪警報は中部・伊賀・伊勢志摩と紀勢東紀州の一部(大台・大紀・紀北町)で発表されたが北部は大雪注意報。(15時38分に全地域で解除)
同気象台によると、24時間の降雪量が20センチを超えると(北部は30センチ)大雪警報を発表。この日は12時28分に20センチを超えるものと予測し大雪警報を発表。南岸低気圧が太平洋沖を通過したことによる降雪と説明する。各地で自動車の屋根に積もった雪を測った人たちによると、伊勢で30センチ、鳥羽で25センチ、志摩で23センチ以上(計測方法は一定ではない)という。
伊勢神宮ではスギなど木々に積もった雪の重みで木立が折れて参拝者に危害を加える危険性が生じると判断し、10時15分ごろ、125社全ての参拝を中止した。伊勢道路やサニーロード、第二伊勢道路は現在も通行止め。
一方、神明小学校(志摩市阿児町)では、積雪に興奮した児童たちが大はしゃぎで雪合戦したり、雪だるまを作ったりしていた。校庭に植えられた梅はピンクの花を満開に咲かせて雪の重みに耐えていた。代々木高校(同)教諭で同校校長も歴任した現在68歳の西尾哲明さんは「これまで68年間ここで生活してきたが、こんな雪は見たことがない。子どもたちには初めての経験だと思う。温暖である地域を考えるきっかけになるだろう」とコメントを残す。