冬至の日にあたる12月22日の早朝7時40分ごろ、太陽神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祭る伊勢神宮内宮(ないくう)の宇治橋と今年10月に新しくなった大鳥居の真ん中から真っ直ぐ太陽の光が差した。
この日の日の出時刻は6時56分。宇治橋前正面には標高約367メートルの島路山があるため、朝日が出るのは日の出時刻よりも約40分遅くなる。大鳥居の中央から朝日が昇るのは冬至を挟む前後2カ月間だけ。特に今年の冬至は19年に一度、新月と冬至が重なる「朔旦冬至(さくたんとうじ)」にあたる。
太陽の光は、まず宇治橋の守護神「饗土橋姫(あえどはしひめ)神社」を照らし、さらに太陽が昇ると、大鳥居の中をくぐって人々の頬を照らした。
その光を受けて人々は、温かさを実感していた。「温かい~」「感動」「まぶしい~」「すごい~待っててよかった」「涙が出てきた~」と思い思いの言葉を発し、またその光景をカメラに収めようと多くの人がシャッターを何度も切っていた。
伊勢市観光協会は、内宮駐車場に設置したテントで「冬至ぜんざい」を振る舞い、ユズを無料配布した。この日宇治橋前に集まった人は約1000人(同協会調べ)。