9月9日10時過ぎに愛知県知多半島に上陸した台風18号の影響で、近鉄の鳥羽線(五十鈴川駅~鳥羽駅)と志摩線(鳥羽駅~賢島駅)は16時現在も復旧のめどが立たず、電車の運行を見合わせている。
台風による降水量は、鳥羽市と志摩市阿児町でそれぞれ1時間あたり75.5ミリ、69.0ミリ、3時間あたりで149.0ミリ、122.0ミリとなり、9月の観測史上最大となった。
この日の朝、鳥羽市の赤崎駅と白木駅、志摩市の神明駅付近で冠水を確認。赤崎8号踏切(船津町)付近では、山からの濁流による石や砂が流れ込んだため、現在、復旧作業が続けられている。
朝9時30分ごろ冠水した神明駅周辺を撮影したのは駅からすぐの場所に店を構える「Hawaiian Lomi Lomi in伊勢志摩」(阿児町神明)のオーナーセラピスト小林紀美さん。小林さんは「線路が水であふれて、まるでジブリ映画の『千と千尋の神隠し』のワンシーンのようだった」と形容した。
近鉄の人気観光列車「しまかぜ」は宇治山田駅で折り返し、明星車庫(多気郡明和町)で待機し時間調整して対応。普通列車などは五十鈴川駅で折り返し運転。賢島までの区間では五十鈴川駅から賢島駅までをバス4台による代行輸送で対応中。
同社広報担当者は「始発列車は通常通り走ったが、6時20分ごろから降水量が一気に上昇したため6時30分からの電車の運行を見合わせている。迷惑をお掛けしているが、できるだけ早い復旧を目指している。安全の確保を再優先しているので今しばらく待ってほしい」と呼び掛ける。