三重県・明和町の観光大使第1号が、今年解散する国民的アイドルグループSMAPの創生期を下支えしていた。
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天皇に代わって伊勢神宮に奉仕した斎王(さいおう)が生活していたとされる幻の宮殿「斎宮(さいくう・いつきのみや)」がある明和町の観光大使第1号は、音楽家の長岡成貢さん。
長岡さんはSMAPがデビューする前から作曲やアレンジ(編曲)を担当。初期のCDシングルやアルバムで数多くの曲に関わった。その数50曲以上。「12月28日に発売されたばかりのシングル55作品の両A面曲を含む全63曲の映像を収録したDVD・ブルーレイディスク『Clip! Smap! (クリップスマップ)コンプリートシングルス』(価格7,344円)に僕がアレンジした6曲が入っていた。約10%の曲でSMAPに関われたと思うと、感慨深い」と話す。
6曲は、「雪が降ってきた」「ずっと忘れない」「Peace!」「たいせつ」「この瞬間(とき)、きっと夢じゃない」「Moment」。
長岡さんは、伊勢市で生まれ明和町で育ち、「高校生レストラン」で知られる相可高校(多気郡多気町)を卒業。高校時代はブラスバンド部の部長を務め卒業後、名古屋へ。24歳のころ上京し、CM・イベント音楽などの音楽制作を始める。これまでSMAPのほか、KINKI KIDS、嵐、中島美嘉、EXILE、MISIA、CHEMISTRYらアーティストへの楽曲提供、アレンジ、プロデュースを手掛け、自身も2枚のアルバム「Purple」「Romantic GOLD」をリリースしている。
長岡さんは「SMAPという国民的アイドルグループが今日で解散することは、一つの時代が終わったということなのかもしれない。90年代は、みんながいいものを作ろうと一生懸命で、それに事務所も同じ思いで邁進した時だった。今では当たり前の音楽でも当時はかなり斬新なことをやった。JPOPの方程式のようなものを壊していった」と振り返る。
「SMAPがデビューした1992年に、斎王をしのびたたえる曲『斎王の舞(いつきのまい)~斎宮物語』を作った。SMAPの曲を書きながら伊勢神宮や斎宮への思いを募らせて少しずつ形にしていった。そして不思議にもSMAP解散となる今年、地元で毎年開催される斎王まつりのテーマ曲「永遠(とわ)の祈り」を作った。SMAP解散というタイミングに改めて、世界に誇れる日本の歴史や文化を音楽で表現・追求していこうと思った」と長岡さん。
長岡さんは、第40回モントリオール映画祭(2016)最優秀芸術賞を受賞したEXILEのHIROさんプロデュースの映画「たたら侍」の全音楽を担当。さらに俳諧師・小林一茶の生涯を描いたリリー・フランキーさん主役の映画「一茶」でも全音楽を担当する。共に来年公開予定。