NPO法人伊勢志摩バリアフリーツアーセンター(鳥羽市鳥羽)が2月20日、同NPO理事長中村元さんによる講演会「集客売上10倍の成功例をもとに導く バリアフリー観光の秘密!!」を志摩市商工会館(志摩市阿児町)で開催した。
【その他の画像】伊勢志摩バリアフリーツアーセンター理事長中村元さんによる講演会
2001年から活動する同NPOは、「身体が不自由な観光客」の視点で観光地のバリアフリー度をチェックしデータベース化。観光事業者や障がい者、高齢者などをサポートする。身体が不自由な人に対して「行けるところ」より「行きたいところ」を案内することをモットーに、日本のバリアフリーツアー観光の基礎を作った。
中村さんは、鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽)の副館長を経て、水族館プロデューサーとして新江の島水族館(神奈川県藤沢市)やサンシャイン水族館(東京都豊島区)などをプロデュース。中でも北の大地の水族館・山の水族館(北海道北見市)では世界初の「川が凍る水槽」などを作り、2万人だった年間来館者数を30万人に引き上げた実績を持つ。現在は本業の傍ら、バリアフリー観光をさらに推進させるべく日本バリアフリー観光推進機構(東京都新宿区)を立ち上げ、理事長に就任し全国を駆け巡る。
中村さんは「身体が不自由な人はバリアフリーなところに行きたいのではなく、みんなと同じように美しい景色を見たいもの。われわれが日本で初めて作った『パーソナルバリアフリー基準』は、まちの全てのバリアーを調べ尽くし『人』が基準であるということ」と説明。「身体が不自由な人には家族や友人などが必ず同伴する。バリアフリー観光のマーケットは、人口の約3%だといわれる障がい者の比率だけを考えては駄目。多くの人が観光地を訪れることになる」とも。
中村さんによると、最後まで講演を聴いた首長は伊勢市長以外では小松市長と志摩市長だけだという。志摩市長の竹内千尋さんは「鳥羽市、伊勢市で成功している事例などを伺い、志摩市もできるだけ早く取り組まなければと感じた」と漏らす。