磯部町山田地区で現在、「御田植祭(おみた・おたうえさい)」の祭典の稽古が行われている。
伊勢神宮内宮の別宮「伊雑宮(いぞうぐう・いざわのみや)」(志摩市磯部町)で6月24日に開催される同祭。今年は沓掛・山田地区の担当で、6月11日は実際の田んぼに水を張って稽古を行った。
同祭は、香取神宮(千葉県香取市)と住吉大社(大阪市住吉区)の御田植祭とともに日本三大御田植祭の一つとされ国の重要無形民俗文化財の指定を受けている。
鎌倉時代に成立したとされる伊勢神宮の「神道五部書」の一つ「倭姫命世記」に書かれた、第11代垂仁天皇の皇女・倭姫命(やまとひめのみこと)が伊勢神宮に納める神饌(しんせん)を探し求めて志摩を訪れたとき、昼夜鳴く一羽の白真名鶴が稲穂をくわえていた「白真名鶴伝説」「鶴の穂落とし伝説」に由来するとされる。祭りで歌われる躍り込み唄や数え唄の歌詞の中に由来の伝説が登場する。平安時代末期か鎌倉時代初期から始まったとされる。
5月14日から稽古を続ける役人28人は、この日、田道人(たちど)と早乙女(さおとめ)が苗場を3周半回って苗を取る所作や倭姫命に扮(ふん)した太鼓打ちが田舟に乗り田楽を奏でながら、早乙女らが田植えを行う「御田植神事」などを行った。
祭りの総合プロデューサー役を務める「師匠」の谷崎豊さんは「当日の所作は全て覚えてくれたので当日は、全員が万全の体調で、悔いのないようにしっかりと奉仕していただきたい」と話す。
22日は祭りに先立ち10時から、大訓式(おおならし)を行う。