昔ながらの七宝焼きの技術「泥釉七宝(どろゆうしっぽう)」を復活させた故・上沼緋佐子さんの作品展「泥釉七宝 上沼緋佐子の旅展」が11月2日~5日、五十鈴塾(伊勢市宇治浦田)左王舎で開催される。
泥釉七宝とは明治以前の七宝技法で、光沢のない不透明な釉薬を用いた昔ながらの七宝焼きのこと。光沢のある現代七宝と異なり、深みのある落ち着いた仕上がりになるのが特長。
山形に生まれの上沼さんは、1990年から伊勢で制作活動を始め1992年に文化庁の「七宝技術研究会」で泥釉七宝の再現プロジェクトに関わった。2004年からは制作拠点を山形に移し活動したが2012年に志半ばで死去した。
同展では上沼さんの娘・亜矢さんが保管する作品を中心に、写真と映像も交え、伊勢、山形、立山、比叡山、チベット、ナイル、四国お遍路、などの旅を通して上沼さんの世界を展開する。11月2日(18時30分~20時)には文筆家・皇学館大学非常勤講師の千種清美さんによる講座「七宝が語る伊勢・二見の美」(会員800円ビジター 1,300円)も予定する。
生前の上沼さん親しかった千種さんは「雑誌『伊勢志摩』の特集『西行が恋した二見浦』で上沼さんとお会いしお話しをうかがった。伊勢二見で上沼さんは何に魅せられたのでしょうか、上沼さんが旅で見たもの、感じたものを七宝作品に込められた思いを感じていただければ」と話す。
開館時間は10時~16時。