伊勢神宮の社殿などに使う木材を加工する山田工作場(伊勢市八日市場町)で11月15日、長野と岐阜で伐採された木をお払いする「斧入式(おのいれしき)伐採木修祓(しゅばつ)式」が行われた。
この日の早朝、長野県木曽郡上松町小川入国有林から伐採された樹齢約300年(直径58センチ、樹高28メートル)のヒノキ5本分計10本、岐阜県中津川市加子母裏木曽国有林から伐採された樹齢約100年(直径52センチ、樹高22メートル)のヒノキ3本分計17本が大型トラックで運ばれ到着した。
このヒノキは、それぞれ10月28日と同30日に斎行された次回の式年遷宮で使用されるご用材の最初の伐採に当たる「斧入式」で伐採されたもので、杣人(そまびと)3人が3カ所から同時におのを入れて中を空洞にして切る「三ツ緒(みつお)伐り」という伝統技法で切り出された。斧入式には伊勢神宮の小松揮世久(きよひさ)大宮司と亀田幸弘少宮司も参列した。
2人の神職が榊と塩でお払いを行った後、クレーンで降ろされ、検査の後、原木番号が付けられ、山田工作場内にある貯木池に入れられる。貯木池には3~4年間漬けられ、水の中で樹脂などを抜き反りや亀裂が起こりにくくする「水中乾燥」され、その後、切断、墨掛け、製材の工程を経て、長いもので10年間自然乾燥される。
第62回式年遷宮では、長野と岐阜で伐採された木曽ヒノキが約75%、伊勢の宮域林から伐採されたヒノキが約25%使用された。斧入式で伐採されたヒノキは内宮(ないくう)の正宮(しょうぐう)で使用される予定。