二見興玉神社(伊勢市二見町)の「夫婦(めおと)岩」の大しめ縄の張り替え神事が5月5日、同神社境内で行われた。
同祭典は、毎年5月5日と9月5日、12月の3回行われる。1本約35メートル、太さ10センチ、重さ約40キロの大しめ縄5本を渡して、男岩(おいわ)と女岩(めいわ)を結ぶ。大しめ縄は、夫婦岩の沖合約700メートル先の海中に鎮座する猿田彦大神ゆかりの興玉神石(おきたましんせき)と夏至の日前後に夫婦岩の真ん中から現れる朝日・太陽(太陽神)、朝日と重なる霊峰富士山を仰ぎみる鳥居の役割を果たしていると言われている。
興玉神石は、周囲約850メートル、高さ約7.5メートルの大きさで、1854(安政元)年12月23・24日(旧暦11月3・4日)に発生した安政の大地震「東海・南海地震」(32時間後に連続発生、推定M8.4)で、完全に海の中に沈んだとされる。
この日は風もなく快晴でゴールデンウィーク中であることから、大勢の参拝客で賑わった。参拝客らが5本の大しめ縄を手際よく送り、氏子や職員らと共に協力し合いながら新しく張り替えた。
同神社の金子清郎宮司は「夏至になると今日男岩と女岩に新しく張り替えた大しめ縄に朝日と富士山が重なって現れる。梅雨と重なることからいい天気に恵まれることが少ないが、是非その機会にもご参拝いただければ」と話す。