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伊勢神宮から120センチのヒノキの杖 今年80歳になった高齢者1362人に

伊勢神宮から120センチのヒノキの杖 今年80歳になった高齢者1362人に

伊勢神宮から120センチのヒノキの杖 今年80歳になった高齢者1362人に

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 伊勢神宮は5月30日・31日の2日間、伊勢市内に住む数え歳で80歳以上の高齢者(対象者=1万5989人)を招待し、長寿と健康を祈願する「延寿大々神楽(えんじゅだいだいかぐら)」を行った。

【その他の画像】伊勢神宮から80歳以上の高齢者に記念品

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 毎年神嘗祭(かんなめさい)でその年に採れた新穀を奉納する行事「初穂曳(はつほび)き」や20年に一度の式年遷宮で使う木材を運ぶ行事「お木曳き(おきひき)」や白石を集め敷地内に敷き詰める行事「白石持ち(おしらいしもち)」などで伊勢神宮に奉仕する伊勢市民に対して感謝の気持ちを込めて行われている「延寿大々神楽」。1949(昭和24)年から毎年行われ今年でちょうど70回目を迎える。

 初日の30日は、あいにくの雨にもかかわらず約300人の高齢者が伊勢神宮を訪れた。神楽殿では「倭舞(やまとまい)」「人長舞(にんじょうまい)」「蘭陵王(らんりょうおう)」の神楽を奉奏し長寿を祈願した。対象の高齢者にはその後、お守り、紋菓、湯飲みの記念品が贈られ、さらに今年80歳を迎える1940(昭和15)年生まれの高齢者(対象者=1362人)には、御用材のヒノキでできた延寿杖(えんじゅつえ)も贈られる。

 今年の湯飲みには、亀田幸弘少宮司が揮毫(きごう)した「寿賀(じゅが)」の文字が添えられている。長さ約120センチの延寿杖には、神宮司庁職員が1本1本心を込め丁寧に押した「神宮」の文字の焼き印が入る。

 夫婦で共に80歳を迎え2本の杖をもらった楠部町在住の森本光生さんと亮子さんは「息子が小学6年生の時に神田下種祭(しんでんげしゅさい)の童男(どうなん)に選ばれたこともあり、神宮さんとの関わりは深い。『神宮神田御田植祭保存会』に入る息子は今年も、田植えや稲刈りなどで奉仕する。2人でこうして80歳を迎えることができて、神宮さんにもお祝いしていただきとても有り難い」と喜びを言葉にした。

 雨の神宮境内ではアカハライモリの子どもが参道まで歩き出し参拝者に笑顔を与え、茶色の肌を持つツチガエルが参道脇の溝の水の中で岩に擬態化し、神楽殿北側の御池(みいけ)の水面ではコオホネが黄色の花を咲かせていた。神宮神苑(しんえん)では国華会(事務局=神宮会館)による伊勢撫子(なでしこ)や花菖蒲(しょうぶ)の花の展示が行われていた。

 今年の最高齢者は、男性が(大正3)年3月26日生まれ105歳の安井小春さん(辻久留)、女性が1905(明治45)年1月30日生まれ107歳の森スミ子さん(小俣町)。

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