伊勢神宮内宮(ないくう)の五十鈴川の御手洗(みたらし)そばにある第一鳥居内祓所(はらえど)で6月30日、神職らが汚れをはらい心身を清める祭典「大祓(おおはらえ・おおはらい)」が行われた。
大祓は、恒例式として6月と12月の末日に行われるが、伊勢神宮では大祭のある前月の末日にも行われる。6月の大祓を「夏越(なごし)の大祓」と呼び、半年間に積もった汚れをはらう意味を持つ。古くから12月の大祓と共に、全国の神社でも「茅の輪くぐり」と合わせて行われている。
この日、倭姫命(やまとひめのみこと)が着物の裾を洗ったとされる五十鈴川に近い祓所に、小松揮世久(きよひさ)大宮司や亀田幸弘少宮司ら神職と楽師らが五十鈴川に向かって整列し座り、大祓詞(おおはらえのことば)が奏上されるとサカキを手に深々と頭を垂れた。
神宮司庁広報担当の音羽悟さんは「昔は伊勢神宮でも茅の輪くぐりをやっていたことが文献に残っている。いつからしなくなったかは定かではないが、人型の和紙に息を吹きかけて川に流していた記録もあった。気温が上がり体力が弱る夏越の大祓と新年を迎える前に行われる大祓はとても重要」と説明する。