2016年に開かれた「G7伊勢志摩サミット」で使用されたカップ&ソーサーのデザインを担当した書家の小林勇輝さんの作品展が7月1日、伊勢神宮内宮(ないくう)前の「茶房 山中」(伊勢市宇治今在家町、TEL 0596-23-5557)で始まった。
【その他の画像】伊勢志摩サミットで平和祈願のカップ&ソーサーのデザインを担当した小林勇輝さん
小林さんは、佐賀県出身で現在名古屋市を拠点に活動する。6歳から書に親しみ、2005年に書いた詩が偶然「翼」になったことから詩と書とカタチが三位一体となる作品を数多く創る。
カップ&ソーサーは、小林さんの詩「生キトシ 生ケルモノガ 幸セデ 在リマスヨウニ」の文字が「折り鶴」の形になった作品をモチーフに、高級食器「ナルミ」(愛知県名古屋市)のマザー工場である三重ナルミ(志摩市磯部町)が製作。ソーサーには8羽の折り鶴が手をつないでいるようなデザインで、三重県桑名市に伝わる「桑名の千羽鶴」の連鶴「八つ橋(やつはし)」の形に偶然なった。
カップ&ソーサーは、2016年に開催された「G7伊勢志摩サミット」の初日、安倍昭恵総理大臣夫人とヨアヒム・ザウアー・ドイツ首相夫君、ソフィー・グレゴワール=トルドー・カナダ首相夫人、マウゴジャータ・トゥスク欧州理事会議長夫人の昼食会(配偶者プログラム)で、三重県立相可高校(多気郡多気町)食物調理科の生徒たちが料理を提供し食事の最後に、小林さんデザインのカップ&ソーサーでコーヒーが提供された。近鉄賢島駅2階の伊勢志摩サミット記念館「サミエール」(志摩市阿児町)にも展示されている。
小林さんは「伊勢志摩サミットがきっかけで平和祈願の作品『千のいのり』ができあがった。この地にご縁をいただき、展示会を開かせていただくことにただただ感謝。7月12日から10月8日までの期間には南伊勢町の『伊勢現代美術館』でも個展を開催する。多くの人に見てもらいたい」と話す。
「茶房 山中」の営業時間は9時~16時30分。毎週金曜定休。8月30日まで。小林さんは、8月5日、19日、30日に在廊する。