滋賀県出身の風景写真家・岩咲滋雨(いわさきじう)さんが伊勢の朝日をテーマにした風景写真を収めた2019年版カレンダー「朝日の来向(きむか)ふ国~伊勢へのイザナイ~」をモーターマガジン社(東京都港区)から出版している。
岩咲さんは、自然写真家・鈴木一雄さんに師事。2010年、月刊誌「フォトコン」(日本写真企画)ネーチャーの部で年度賞受賞。2012年、写真展「道 OZE」を「旧・新宿ペンタックスフォーラム(現・リコーイメージングスクエア新宿)」(東京都新宿区)で開催、同時に写真集「道」(日本写真企画)を出版。現在、伊勢神宮の祭典と神宮125社や伊勢志摩の風景、日本の伝統文化、神話、風土、四季折々の風景など、日本人の感性の源を探る「日本姿(ニホンシ)」を撮影している。
カレンダーは受注生産品で、同社が発行する月刊誌「カメラマン」で活躍するプロの写真家64人のそれぞれの作品集のような形式で計71種類を企画。マットコート紙、Wリング製本で、「壁掛けヨコ型(幅411ミリ高さ300ミリ)」「壁掛けタテ型(幅300ミリ高さ411ミリ)」「卓上ヨコ型(幅180ミリ高さ140ミリ)」の3タイプを用意する。
岩咲さんは2018年版に続いて2度目の参加。今年のカレンダーには、伊勢・朝熊岳からの朝日をメインに出雲や高千穂峡、富士山、熊野本宮大社、近江・多賀など、日本各地で撮影した風景写真を選んだ。
2019年版には、二見興玉神社(伊勢市二見町)の夫婦岩や、夏至近くの夫婦岩の間から富士山と朝日が重なる写真、伊勢市、鳥羽市、志摩市の海岸から撮影した朝日の写真などを採用した。
岩咲さんは「タイトルの『朝日の来向ふ国』は、ヤマトタケルの叔母で第11代垂仁天皇の皇女でもあり天照大神(あまてらすおおみかみ)の鎮座地を伊勢に定めた倭姫命(やまとひめのみこと)を伝える『倭姫命世記』の解説本の中にあった言葉で『朝日の来向かう国、夕日の来向かう国、浪の音聞こえざる国、風の聞こえざる国、弓矢鞆の音聞こえざる国…』と続くこの一文にとても引かれ、表現されている言葉の美しさにインスピレーションを受けて、神話の国=伊勢をイメージしながら朝日を撮影した。伊勢の朝日と光、風を一年を通して感じていただければ」と話す。
価格は2,268円。同社ネットショップで販売している。