伊勢神宮内宮(ないくう)で11月30日、神職たちが汚れを祓(はら)い心身を清める祭典「大祓(おおはらえ・おおはらい)」が行われた。
大祓は、恒例式として6月と12月の末日に行われるが、伊勢神宮では大祭のある前月の末日にも行われる。この日、小松揮世久(きよひさ)大宮司を始め神職と楽師約50人が、五十鈴川の御手洗(みたらし)そばにある第一鳥居内祓所(はらえど)に整列し、大祓詞(おおはらえのことば)の祝詞(のりと)が奏上されるとサカキを手に深々と頭を垂れた。
毎年11月下旬になると神域内の紅葉が見頃になる伊勢神宮。この日、五十鈴川の御手洗正面の大きなモミジも赤く染まり、五十鈴川の清流をも赤く染めていた。祓所内にあるモミジも赤色に色づき神職らの衣装の色と調和し参拝者らもその光景にカメラを向けていた。
伊勢神宮では、新年を迎えるための準備がすでに進められ、仮設のお守り授与所の工事が始まっていた。
五十鈴川は、第11代垂仁天皇の皇女で日本神話に登場する日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の叔母にあたる倭姫命(ヤマトヒメノミコト)が、着物のすそを洗ったとされることから御裳濯川(みもすそがわ)とも呼ばれている。日本一の清流・宮川水系の一級河川で、昔からけがれをはらう神聖な川とされている。