志摩市大王町の坂中洋幸(ひろゆき)さんの家の庭に現在、竹で作ったジャングルジムのような構造物がある。
【その他の画像】ジャンボレモンとジャングルジムのような構造物
高さ2メートル以上で縦横に竹を組み、その中に大きな黄色の果樹が実っている。竹にロープを結び果実が落ちないように保護しているのだ。坂中さんによると、約40年前から植えられているものでトゲがあるレモンの一種。「品種は詳しく聞いていないのでわからないが、調べるとジャンボレモンの一種『ポンデローザ(Ponderosa)』『オオミレモン(和名)』ではないか?」と言う。
普通のレモンの約4倍の大きさになるというポンテローザは、温暖な土地で北風が当たらない日当たりの良い場所なら露地栽培も可能で比較的結実しやすい。ユズの一種とレモンが自然交雑して生まれた品種だと言われている。直径10センチ以上、高さ15センチ以上、重さ500グラム以上と大きく、最大で1キロ以上になるものもある。
坂中さんの庭のジャンボレモンは、3月~5月に花が咲き10月~12月のころに大きな実をつけ収穫した実は、絞った果汁を焼酎のレモン割りに、皮を料理の薬味にしたりしているという。
坂中さんは「漁師町では庭にトゲのある木を魔除けがわりに植えたりするので誰かが植えたのだろう。庭を手入れするようになって、風が吹くたびに実が落ちてしまうので、落ちないようにしたいと思い、試行錯誤しながらやっていたらジャングルジムのような形になってしまった。座布団に座らせるように果実を保護したら落ちなくなった。これまでできた最大は910グラムだった」と説明する。
「種からでも挿し木からでも育つので、2、3年前から苗を育てている。今年は山に植えてレモン畑を作ろうと思う。園芸素人の僕でも作れるので、志摩の気候に向いているのだろう。この地域の産品になれば」と微笑む。