志摩市在住の写真家・泊正徳さんの個展「安乗(あのり)の人形芝居~港町に木偶(でく)が舞う~」が4月1日、伊勢神宮内宮(ないくう)前の「茶房 山中」(伊勢市宇治今在家町、TEL 0596-23-5557)で始まった。
【その他の画像】志摩市在住の写真家・泊正徳さんの写真展「安乗の人形芝居」
泊さんは、伊勢志摩から直線距離で200キロ以上離れる富士山をほぼ毎日撮る写真家としても知られ、伊勢志摩経済新聞のカメラマンも務める。
同展では、志摩市阿児町安乗に400年以上伝承される「安乗文楽(安乗人形芝居)」を収めた19点を展示する。
織田信長や豊臣秀吉に仕えた水軍武将・九鬼嘉隆が1592年の文禄の役出兵の際、安乗の八幡宮(現在の安乗神社)で海上安全と戦勝を祈願。朝鮮での合戦に勝利し、同じ年の8月15日にお礼参りに再び来村し、村人が「人形芝居を毎年行えるように」と願い出たことから安乗文楽は始まったとされる。
1952(昭和27)年に三重県指定の無形文化財、1980(昭和55)年に国の重要無形民俗文化財の指定を受けた。その後ユネスコが2008年に「人形浄瑠璃文楽」を「無形文化遺産」に指定したことから、注目が集まっている。
泊さんは「志摩の安乗に400年以上継承されている人形芝居があることを少しでも多くの人に知っていただきたい。写真を撮りたいと思っていただける人が一人でも増えて、実際に出掛けてもらうきっかけになれば。伊勢志摩のことで僕が分かることなら気軽に連絡いただければお答えさせていただく」と話す。
営業時間は9時~16時。金曜定休。5月30日まで。