皇学館大学(伊勢市神田久志本町)で4月3日、平成31年度入学式が行われた。
同大学記念講堂で行われたこの日の式典には、神宮大宮司の小松揮世久(きよひさ)さん、同大理事長の佐古一洌(かずきよ)さん、同大学長の河野訓(さとし)さんらが出席。新入生768人は真新しいスーツに身を包み、緊張した面持ちで式典に臨んだ。
国歌斉唱の後、本年度から新学長に就任した河野さんが1900(明治33)年当時伊勢神宮祭主で皇学館総裁の賀陽宮邦憲王(かやのみやくにのりおう)が学問研究と教育の趣旨・目標とするところを示した令旨(りょうじ)を奉読。学長式辞、理事長告辞、神宮大宮司祝辞の後、入学生が宣誓を行った。
河野さんは「神宮のお膝元にあって、日本人の固有の信仰である神道を仰ぎつつ、2000年余の日本の歴史を支え、日本文化を生み育ててきた日本人の心のありようと日本国の道義を探究し、これを現代および未来に継承することを使命としてきた。この本学の特性に思いを致し、進取の気概にあふれつつも、あくまでも謙虚に敬虔(けいけん)に、堅実に学んでいってもらいたい。みなさんのはつらつとしたかっ達な研さんを強く期待する」と式辞を述べた。
伊勢市出身で現代日本社会学部生の山口夢響(ゆなり)さんは「日本のことをもっと学んで、日本を海外の人に伝えたい」、北海道出身で大学院文学研究科神道学専攻に進んだ新田恵三さんは「前期課程でみそぎと鎮魂について研究をしてきたので、さらに研究を進めたい」と意欲を見せる。岐阜県出身で神道学専攻科生の吉田皓(ひろし)さんは「富山大学を卒業後、遺跡発掘などを行う民間会社に就職したが、考古学や歴史の成り立ちについてもっと知りたいと思い皇学館大学に再入学した」と話す。
本年度の入学者数は、文学部=363人、教育学部=250人、現代日本社会学部=131人、大学院=12人、神道学専攻科=11人の計768人だった。