上皇上皇后(当時天皇皇后)両陛下のお姿を写した写真展「平成感謝 報道写真展」が10月3日から、志摩市大王美術ギャラリー(志摩市大王町)で始まった。
同展は、2019(平成31)年4月17日~19日の3日間、両陛下が伊勢志摩をご訪問された際に伊勢志摩経済新聞にて報道記事として伝えた際に撮影した写真の中から30点を選びB1(1030ミリ×728ミリ)サイズに大きく引き伸ばしたものを展示する。
同展は、おかげ横丁大黒ホール(伊勢市宇治中之切町)で7月12日~28日までの17日間、おかげ横丁を運営する伊勢福(同)と共催し3000人以上の入場者を集めた。
雨となった初日の夕方、両陛下が近鉄宇治山田駅にお出ましになられ、駅前に集まった国民に手を振るお姿、雨に濡れ御料車のヘッドライトで金色に光る宇治橋、伊勢神宮内宮(ないくう)の第一鳥居から斎館に入る瞬間の1枚。
退位されることを皇祖神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)にご報告する「神宮に親謁(しんえつ)の儀」に臨まれる2日目の外宮(げくう)では、「三種の神器」のうちの「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」と「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」を携えて御料車からお降りになるお姿、祭典後剣璽(けんじ)を伴う燕尾服姿の陛下、白のドレスに真珠のアクセサリーをお召になった上皇后陛下のお姿のほか、内宮での五十鈴川幼稚園(同)の園児たちが御料車に最敬礼している様子、近鉄宇治山田駅や近鉄賢島駅(志摩市阿児町)に集まった国民に笑顔で応える両陛下のお姿の写真を展示する。
撮影したのは、伊勢神宮や伊勢志摩の風景などを撮影する泊正徳さん、加藤直人さん、岩咲滋雨(じう)さん、鈴木一弘さん、長岡成貢さん、宮嶋浩一さんの6人のカメラマン。
泊さんは「おかげ横丁の会場では、写真の前で数分間佇んで涙する人を何人も見た。その涙する人を見て、こちらも何度も込み上げた。報道写真展を開催してよかったと素直に感じた。もっと多くの人に見ていただきたいと思っていたところに、志摩市さんからお話をいただき、また開催させていただくことに感謝している。平成の時代をお祈りくださった両陛下の御真影(ごしんえい)を心を込めて撮影させていただいたので、是非足を運んでいただければ」と呼び掛ける。
伊勢志摩経済新聞の伊藤佳行編集長は「平成への感謝の思いをもっと多くの人に感じていただきたいと思うので、同展で展示している写真30点を無償でお貸しさせていただいている。全国で平成感謝の写真展が巡回することになれば有り難い」とも。
開催時間は9時~17時。火曜・水曜休館。10月22日まで(15日間、最終日は祝日のため開館)。