F1日本グランプリが行われている鈴鹿サーキット(鈴鹿市稲生町)国際レーシングコース(1周5.807キロ)上空を10月13日、「ホンダジェット」がデモフライトで何度も旋回し大会を盛り上げた。
ホンダの創業者=本田宗一郎の発案で1962(昭和37)年に日本初のレーシングコースとして完成した「鈴鹿サーキット」。台風一過の雲ひとつ無い爽やかな青空に、本田宗一郎の悲願だったジェット機「ホンダジェット」が静かに弧を描いた。
「ホンダジェット」は、ホンダの航空機事業子会社「ホンダ エアクラフト カンパニー」(米ノースカロライナ州)が製造販売をする小型ビジネスジェット機。昨年12月から国内販売を開始し、現在国内では10機以上のオーダーが入り、世界では130機以上が運用されているという。販売目的以外での「ホンダジェット」のデモフライトは初めて。
「ホンダジェット」は7人乗り、最大巡航速度は時速782キロ、航続距離は2661キロ、機体の大きさは、全高4.54メートル、全長12.99メートル、翼幅12.12メートル。主翼の上部にエンジンを配置する独自の設計でエンジンの振動・騒音がキャビンに伝わりにくく、キャビン空間が広いことなどが特長で、小型ビジネスジェット機として2017(平成29)年2018(平成30)年の2年連続で納入数世界1位となった。
毎年F1観戦に来るという静岡の男性は「ホンダジェットは本田宗一郎さんの夢。その夢が今、目の前で形になっていることに感動。しかし、静か過ぎて忍者のように現れて忍者のようにいなくなった。かっこ良すぎ。F1もホンダマシンが優勝してくれれば」と微笑んだ。
鈴鹿で開催される「2019 FIA F1世界選手権シリーズ 第17戦 日本グランプリレース」(F1日本GP)は、今回で31回目。台風19号の接近に伴い12日の全てのスケジュールを中止したため、決勝レースが行われる最終日に予選レースも行われた。