農林水産省は12月18日、農山漁村で受け継がれ国民的に支持される料理を選ぶ「農山漁村の郷土料理百選」として全国の郷土料理99品を発表、三重県では伊勢地方の「伊勢うどん」、志摩地方の「手こね寿司」が選ばれた。
同省があらかじめ調査を行いリストアップした全国の郷土料理約1,650品を対象に、9月1日~10月10日にインターネットで人気投票を行い約300品に絞り、さらに最終審査で99品を選出した。エッセーストや旅行関係者ら7人で作る「選定委員会」が選定。実行委員長は服部学園・服部幸應理事長が務める。99品の選定数には「最後の1品は自分自身の一押しの郷土料理を加えてもらい百選に」(実行委員会)との思いからだと言う。
三重県からは、太くて柔らかい麺にだしの効いた黒い濃厚なタレと刻みネギをかけて食べる「伊勢うどん」と、新鮮なカツオの切り身を特製のタレに漬け込み、酢飯と混ぜた「手こね寿司」が選ばれた。
三重県の郷土料理として選ばれた2品がともに広域伊勢志摩圏内からだったこともあり、伊勢志摩地域の関係機関は大いに喜んだ。2003年に「伊勢うどんマップ」を作成し本物の伊勢うどんを食べてもらおうと活動している伊勢市麺類飲食業組合の青木英雄組合長は「メジャーになりつつあった『伊勢うどん』が今回の『百選』で日の目を見ることになり大変うれしい。伊勢に来たら、本物の、昔ながらの『伊勢うどん』を守り続けている店で食べてほしい」と呼びかけた。「手こね寿司」は1986年同省の「ふるさとおにぎり百選」にも選ばれている。また「農山村の郷土料理百選」のホームページのタイトル写真にも寿司おけに入った「手こね寿司」の写真が使われている。
同省は「百選」を紹介する小冊子を来年2月に発行予定。郷土料理にまつわる歴史、文化、レシピ、伝承活動などについてとりまとめ、全国に情報発信し、食文化を通じた地域振興を図るとともに、都市と農山漁村の交流を促進する。
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