三重県内の酒販店5社が5月10日から、「三重の酒蔵応援プロジェクト」を立ち上げ県内の6蔵の日本酒の販売を開始した。
新型コロナウイルスの影響を受けて、全国の飲食店や宿泊施設は営業を自粛し、それに関連する納入業者や生産者は苦境に陥り、売り上げも激減している。一方、ステイホーム、在宅ワークと生活様式の変化の中「うち飲み」「家飲み」「宅飲み」などの言葉も定着し、家庭での飲酒の機会も増えている。
三重県の日本酒を多くの人に知ってもらい購入してもらおうと企画した同プロジェクト。酒販店5社のネットショップをメインに、週替わりで各蔵元の日本酒を予約販売する。内容は、1800ミリリットル3本、または720ミリリットル3本のセットで、通常ラインナップ2種類に、同プロジェクト限定酒1種、蔵元グッズと蔵元からメッセージカードが付く。新型コロナウイルス感染拡大防止を考慮し、商品は蔵元から直送する。
第1弾の蔵元は、大田酒造(伊賀市上之庄)「半蔵」(販売期間は5月10日~17日)、後藤酒造場(桑名市赤尾)「颯(はやて)」(同5月17日~24日)、早川酒造部(三重郡川越町)「天一」(同5月24日~31日)、河武醸造(多気郡多気町)「鉾杉(ほこすぎ)」(同5月31日~6月7日)、澤佐酒造(名張市夏見)「参宮」(同6月7日~14日)、森喜酒造場(伊賀市千歳)「るみ子の酒」(同6月14日~21日)。予約は日曜10時~翌日曜10時を1サイクル。
酒販店は、福田屋酒店(四日市市東富田町、TEL 059-365-0596)、酒のあおき(伊勢市宮町、TEL 0596-28-2979)、ニコマート酒店(伊勢市桜木町、TEL 0596-22-2730)、田所酒販(伊勢市二見町、TEL 0596-43-2207)、べんのや酒店(志摩市志摩町、TEL 0599-85-0420)。
プロジェクトを立ち上げた、べんのや酒店の竹内伸樹さんは「蔵元さんにお話を聞くと、来年の日本酒の仕込みができない状況に至ってるところもあるなど、かなりひっ迫している状況。本来なら新酒が続々出来上がってくる季節なのに、出荷ができずに苦悩する蔵元がほとんど。そこで仲間の酒販店に協力を要請し、プロジェクトを立ち上げた。商品は蔵元お薦めの2種類とまだ市販されていないお酒などシークレットなお酒1種類のセット。飲食産業を支える最大の貢献者である生産者を守る活動にお力添えをいただければ」と呼び掛ける。
1番目となる大田酒造の大田智洋(ちひろ)さんは「国内の飲食店の自粛、海外への輸出、商談会、デパートや空港での販売など全てストップ。せっかくおいしく出来上がったお酒が行き場を失っている。また7代目蔵元の大田有輝(ゆうき)が杜氏となり、3月に行われた三重県新酒品評会で純米の部で三重県首位、吟醸の部、本醸造の部でも優等賞に選ばれた。さあ、これからという時だった。ぜひこの機会に、お家で三重の地酒を召し上がっていただければ」と話す。
大田酒造のセットは、全国熱燗コンテスト2017金賞受賞の「半蔵 特別純米酒辛口」、季節限定の「半蔵 特別純米酒金魚」、純米大吟醸「半蔵 #together at home」(以上720ミリリットル)、価格は5,940円(送料込み)。