音楽家・長岡成貢さんら中心となって活動する「まなはなプロジェクト」が8月、コロナ禍で部活動の自粛や大会の中止などでやるせない思いでいる中高生たちを音楽で元気づけようと作った曲「真夏過ぎの花火」を多くの中高生に聞いてもらおうとSNSなどで呼び掛けている。
【その他の画像】まなはなプロジェクト立ち上げた宮島達男さんと長岡成貢さん
伊勢市で生まれで明和町育ちの長岡さんは、SMAP、EXILEやMISIAさんなどさまざまなアーティストに楽曲提供し、映画「EMPIRE OF SILVER/白銀帝国」(2009年)、「桜田門外ノ変」(2010年)、「たたら侍」(2016年)、ドラマ「日曜劇場 JIN-仁-」(2009~2011年)などの音楽を手掛けた。昨年11月14日の大嘗祭の日には、伊勢神宮に仕え祈り続けた未婚の皇女「斎王(いつきのひめみこ・さいおう」にささげる音楽CDアルバム「美しきひめみこたちの物語~Mistic world of Himemiko~」をリリースした。
長岡さんは「友人で現代美術家の宮島達男さんから『新型コロナウイルスの影響で夏の甲子園や各種コンクールなどの夢舞台がなくなってしまった高校3年生を中心とした全ての学生たちに、音楽でエールが送れないか』と電話があった。その電話をきっかけに曲作りが始まった。作詞家の溝口貴紀さんが作詞を、第一線で活躍する演奏家や若手ミュージシャンたちが演奏やコーラスなどで、みんな無償で次々と賛同してくれて完成した」と明かす。
曲が完成すると高校生たちや賛同してくれたカメラマンなどから動画や写真が集まりそれをつなぎ合わせた動画が完成。8月14日にユーチューブにアップすると、後日、高校生たちがその曲に合わせたダンスの振り付けを考え、ダンス動画もアップされた。「まなはなプロジェクト」の公式ホームページには曲の音源も聞けるように準備した。
長岡さんは「参加してくれたメンバーは、今の自分にたどり着く原点・出発点ともなった、かつての輝く高校時代を思い出し、過去の自分自身にエールを送るかのように、熱い思いを込めて演奏をしてくれた。そのほかにもホームページや動画制作などたくさんの友人たちの応援が重なり、出来上がった。2020年の青春ソングとして、自由に歌って、自由に踊って、自分だけの『真夏過ぎの花火』を表現してもらえたら」と話す。