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「伊勢角屋麦酒」初のホップドシードル 雪が積もって行き場を失った長野のリンゴ使用

「伊勢角屋麦酒」初のホップドシードル 雪が積もって行き場を失った長野のリンゴ使用

「伊勢角屋麦酒」初のホップドシードル 雪が積もって行き場を失った長野のリンゴ使用

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 クラフトビールブランド「伊勢角屋麦酒(ビール)」を製造販売する二軒茶屋餅角屋本店(伊勢市神久)が3月26日、積雪被害で行き場を失った長野のリンゴを使ったホップドシードル「社長SP 雪りんご Hopped Cider」の販売を開始した。

【その他の画像】伊勢角屋麦酒初のホップドシードル

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 2019年~2020年まで同社でビール作りを学んだ神藤(かんとう)裕太さんは昨年4月から長野県上水内郡飯綱町に移住。リンゴ農家に転身したばかりの昨年12月、真っ赤になった収穫前のリンゴ「ふじ」に雪が積もって、売り物にならなくなり困惑していた。

 そこで神藤さんは、同社の鈴木成宗(なりひろ)社長に相談。リンゴ果汁として引き取ってもらえることになった。同社は2月19日、長野から運んだリンゴ果汁をタンクに入れ、仕込みを開始した。

 「社長SP 雪りんご Hopped Cider」は、鈴木社長が自ら不定期で作る人気のビール「社長スペシャル」として位置づけ、アメリカンIPAなどでも使われるネルソンソルビンという希少価値の高いホップを使用し、アルコール度数約5%に仕上げた。レシピは、同社の若手ブルワーの山宮拓馬さんが書いた。

 鈴木社長は「以前から『ホップドシードル』はチャレンジしてみたいと思っていたお酒だったので、神藤さんの申し出には、即決で快諾した。SDGs的にも、リンゴを廃棄せず有効活用できたと思うと、少しは社会に貢献できたかも。という喜びにもなった」と話す。

 山宮さんは「通常の4倍の予約注文をいただき好評。甘くておいしいリンゴジュースの糖分を、酵母が食べ尽くし、切れのいい、すっきりとした味わいのお酒になった」と説明する。

 鈴木社長は「今回のリンゴのことをSNSで発信したところ、ほかのリンゴ農家さんからも問い合わせをいただいたり、行き場のないリンゴを抱えて困っている農家さんも多くいることを知った。今回は『ふじ』だけを使用したが、さまざまな品種のリンゴをブレンドするとさらに深い味になるので、今後、リンゴ農家さんからお問い合わせをいただければ、積極的にホップドシードルを作っていきたい」とも。

 容量=330ミリリットル、価格=605円。限定3000本。

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