伊勢神宮内宮(ないくう)宇治橋前の大鳥居正面から5月26日、半分に欠けた部分食の月が優しく宇治橋を照らした。
この日の伊勢志摩地方の月の出時刻は18時48分ごろ。水平線から現れた満月が伊勢神宮の杜(=島路山)を越えて19時11分ごろ現れ、20時9分ごろから欠けはじめ、20時18分ごろ食の最大となり、赤銅色に染まる皆既月食が観測できるはずだったが、雲に遮られて月の輪郭は全く見ることができなかった。
20時20分ごろ、待ち構えていた数人のカメラマンが諦めて帰った後の20時50分ごろ、細くなりながらも白い光を放つ部分食の月が、雲のベールをまといながら現れた。
前回の皆既月食は2018(平成30)年1月31日21時52分ごろ、同じ宇治橋前で観測したが、高度が高くちょうど大鳥居の真上に位置していたため、大鳥居の中では肉眼でもとても小さく見えた。
この日の伊勢志摩地域の天気予報は、夕方から曇り時々晴れ。宇治橋前には宇治橋と大鳥居と皆既月食を同じフレームの中に収めようとカメラマンが三脚とカメラを準備して固唾(かたず)をのんで空を見守っていた。
伊勢神宮では、皇室の弥栄(いやさか)、五穀の豊穣(ほうじょう)、国民の平安、世界の平和を日々祈り続けている。