日本の伝統文化について学ぶ公益財団法人「伊勢文化会議所」(伊勢市宇治浦田、TEL 0596-20-8251)が現在、玉城町在住の写真家・森武史さんの写真展「日本人のこころ~神宮の森~」を五十鈴塾・左王舎と中央舎で開いている。
【その他の画像】伊勢・五十鈴塾で写真家・森武史さんの写真展「日本人のこころ~神宮の森~」
2009(平成21)年~2014(平成26)年の6年間、森さんが伊勢神宮の森で撮影した作品を、写真展「日本人のこころ~神宮の森~」として赤福(宇治中之切町)が企画し、6年間で延べ12万人を集めた。期間中に展示した作品は150点以上。同展は、その作品の中から13点(左王舎に10点、中央舎に3点)を選んで展示した。
五十鈴塾の山口陽子さんは「森さんの素晴らしい作品を多くの人に見てもらいたいと思い、昨年11月にも写真展を行った。今回、お正月の参拝者が多く訪れる時期にも、と思い実現した。伊勢神宮の広大な森に静かに分け入り、畏敬の念や感謝の気持ち、伝統や信仰の心など『自然と人』の関係を思い出す作品を展示した。伊勢商家を模した本格的な日本建築の左王舎の建物も合わせて見てもらえれば」と話す。
森さんは「神宮へ撮影許可申請を毎回行い、当時神宮の森の撮影はルーティーンワークになっていた。温暖な伊勢志摩に雪が降った日には、剣峠から真っ白な山の向こうに雪の御嶽山を望むことができた。その御嶽山の近くから伐り出された御用材が伊勢の社殿に使われているのだと思いながら撮影した。ある時、森の中の野生のシカを撮影していると、サイかと思うような大きなイノシシが現れた時には何枚もシャッターを切った」とほほ笑む。
森さんは1957(昭和32)年生まれ、1980(昭和55)年に大阪芸術大学写真学科を卒業し、1994(平成6)年にフリーカメラマンとして独立。1999(平成11)年に熊野古道写真集「くまのみち」、2004(平成16)年にDVD熊野写真集「祈り天空に満ちて」、2013(平成25)年に伊勢神宮写真集「神宮の森」などのほか昨年9月、熊野修験(しゅげん)者と修行をしながら撮り続けた20年間の集大成となる写真集「熊野修験」を発刊した。
開館時間10時~16時、開催期間は1月10日まで。