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志摩市の佐藤養殖場が直営レストラン「的矢かきテラス」 海を見ながらカキ堪能

志摩市の佐藤養殖場が直営レストラン「的矢かきテラス」 海を見ながらカキ堪能、あいさつする新社長の濱地大規さん(撮影=加藤直人)

志摩市の佐藤養殖場が直営レストラン「的矢かきテラス」 海を見ながらカキ堪能、あいさつする新社長の濱地大規さん(撮影=加藤直人)

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 カキの生産・販売を行う佐藤養殖場(志摩市磯部町、TEL 090-7368-4887)が1月26日、「的矢かき」を提供する直営レストラン「的矢かきテラス」を同社敷地内にオープンする。

【その他の画像】「的矢かきテラス」メニューのカキフライ定食

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 1925(大正14)年10月創業の同社。創業者で水産学者の佐藤忠勇博士(1887-1984)が発明した、かごの中にカキを入れ海の中につるす「垂下式カキ養殖法」や、成長したカキを紫外線殺菌した海水に20時間以上漬け浄化する「紫外線滅菌浄化法」は、今ではカキ養殖に欠かせない養殖技術で、日本のカキの品質を画期的に向上させた実績を持つ。

 同社によると、養殖場のある的矢湾は、伊勢神宮の山々を背景に持つ池田川、神路川、野川からの栄養分を多く含んだ水が植物プランクトンを育て、そのプランクトンを吸収するカキにとっては好条件な環境。通常2、3年間養殖しなければならないカキを1年で出荷できるので、えぐみや苦味、臭みが少なく甘味が強いカキとなる。出荷1カ月前に海から引き上げ、1粒ずつ掃除しかごに入れ直し再び1カ月ほど養成させカキの身入りをよくしてから、東京、関西など全国約400のレストラン、ホテルに直接出荷する。その評価が高いことから同社のブランド「的矢かき」は2001(平成13)年、「三重ブランド」第1号に認定された。

 同社は海水温の上昇などの影響によるカキの大量死や新型コロナウイルス感染拡大による需要減の影響などが原因で経営不振が続いていたことから、昨年7月15日に経営陣を一新。的矢湾で、一年中食べられるカキの養殖に挑戦し、技術指導などを行っていた濱地大規さんが新社長に就いた。同レストランは、事業再建の柱として国の事業再構築補助金を活用し約8000万円をかけた。

 これまで事務所と倉庫にしていた2階建ての建物をレストランに改装し、海に面したテラスや1階室内に計44席、2階に38席、3棟の海上いかだレストランに36席、計118席を用意。車いす対応席やトイレ、玄関にはスロープも設置した。延べ床面積約200平方メートル。濱地さんは「換気対策の取れたコロナ禍でも安心して食事ができる開放的なテラス席と海上レストランを完備し、創業100年の老舗養殖場のウィズコロナに向けた新たな挑戦」と説明する。

 メニューは、生カキを缶の中で蒸し焼きにする「かんかん焼き」(6個入り=1,980円、12個入り=3,780円)、ヒオウギガイ2個、サザエ2個、大アサリ1個が入る「海鮮かんかん焼き」(1,780円)、「生牡蠣(かき)」(3個入り=990円、5個入り=1,580円)、「酢牡蠣」(700円)、「カキフライ」(880円)、「牡蠣のみそ焼き」(700円)、「牡蠣グラタン」(390円)、「牡蠣ごはん」(430円)などのほか、「牡蠣づくし定食」(3,800円)、「カキフライ定食」(1,780円)、「エビフライ定食」(1,580円)を用意する。生ビール(550円)、ワインボトル(1,100円)、ソフトドリンク(280円)など。

 濱地さんは「トンガ沖海底火山噴火による津波の影響でいかだ70隻が被害に遭い、まん延防止等重点措置が適用されるなど、荒波からの船出となるが、生き残りをかけて挑戦していきたい」と意気込む。「『的矢かき』をこれ以上ないという最高の鮮度で食べてもらい、カキを育てた海、いかだ、人を眺めながら食事を楽しんでもらえる。規格外のカキを使った商品開発も同時に行い経営基盤を強化し、雇用の創出など地域発展の一翼を担い、さらに発展し伊勢志摩に人を呼び込む施設となり、未来に、地域の水産業と『的矢かき』をつないでいきたい。カキで人を笑顔にしたい 」とも。

 営業時間は10時~15時。予約も受け付ける。

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