皇学館大学(伊勢市神田久志本町)で3月18日、卒業式「令和3年度 学位記・修了証書授与式」が行われた。
本年度の卒業生は、学部生683人(文学部328人、教育学部248人、現代日本社会学部107人)、専攻科生(神道学専攻科)13人、大学院生10人の計706人。
新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、卒業生や教職員らは全員マスク着用で、記念講堂での式典は、各学部の卒業生総代と各種表彰者だけの参加にとどめ、3年連続で規模を縮小した卒業式になった。そのほかの卒業生は9会場に分かれてオンライン中継によるモニター越しでの参加となった。恒例の伊勢神宮参拝も3年連続中止となり、式典の中で「神宮遥拝(ようはい)」という形式をとった。
河野訓(さとし)学長から修了証書を手渡されると各学部の卒業生総代は、深々と頭を下げ修了証書を受け取った。
河野学長は、1900(明治33)年当時伊勢神宮祭主で皇学館総裁の賀陽宮邦憲王(かやのみやくにのりおう)が学問研究と教育の趣旨・目標とするところを示した令旨(りょうじ)の中から「夙夜(しゅくや)肯(あえ)て怠ることなかれ」の言葉を紹介。「朝早くから夜遅くまで決して怠ることがあってはならない。常に理想と人生の目標を高く掲げ確固たる信念を持ち決して怠ることなく、勇往邁進してほしい」とエールを送った。
文学部国文学科の櫻井希さんは「コロナ禍で学生生活の約半分を過ごし、大学に行くことが制限されたり部活動の大会がなくなったりと悔しい思いをすることがあった。就職活動も一から自分たちで対策を考える必要があった。当たり前の日々が当たり前でないことを実感した。その中で培った対応力は、新たな一歩を歩み始める私たちにとって壁に突き当たった際に生かすことができると思う。周りの人たちに支えられていることを忘れず、感謝の気持ちや思いやりを常に持ち、自らを高めていけるよう『建学の精神』を胸に、責任感を持ち社会に貢献できるよう、日々精進していく」と答辞を述べた。
文学部国文学科総代に選ばれた庄山美有さんは県内の建設会社に就職が決まった。「大学では各地の方言について研究し、卒業論文にはオノマトペをテーマに選んだ。社会人になったら人とのコミュニケーションを大切にしていきたい」と話す。
同大は、今年創立140年、再興60年を迎える。