温暖な志摩市の真珠養殖盛んな英虞湾に12月9日の早朝、冬の訪れを告げる自然現象「気嵐(けあらし)」が観測できた。
外気温が下がり冷え込んだ早朝、冷やされた空気が海に流れ込み、海水面の暖かい空気との気温差が生じて発生する「気嵐」。温暖なこの地域では気温差が激しくなることが少なく、「気嵐」の発生も年に数回しか見ることができない。
この日、G7伊勢志摩サミットの会場にもなった賢島をつなぐ賢島大橋と湾奥に位置し台風時には避難港にもなる神明漁港を見渡すことができる場所から「気嵐」が発生した。月の入りを迎える満月が映り、海水面にスモークをたいたような幻想的な光景が広がり、朝日の光で白さが際立ち、やがて消えていった。
英虞湾沿いに立つ真珠養殖工場では、12月に入り寒くなり冬が訪れると、春に核入れしたアコヤガイの殻をむき、七色に輝く真珠層を巻いた真珠の玉を取り出す光景が見られる。