岸田文雄内閣総理大臣が1月4日、伊勢神宮外宮(げくう)・内宮(ないくう)の両宮を参拝した。
モーニング姿の岸田首相は8人の閣僚らと共に、内宮参道を進み、参拝者らに手を振り、グータッチするなどして笑顔で応えた。正宮まで進むと御垣内(みかきうち)に入り、閣僚らと共に深々と頭を下げ手を合わせた。新年の伊勢神宮参拝は歴代首相の恒例行事。
参拝後、岸田首相はボーイスカウト日本連盟伊勢第7団カブスカウト隊とガールスカウト日本連盟三重県第1団ジュニアスカウト部門の子どもたち約20人の歓迎を受け、玉城町立有田小学校5年の大西湊真さんと伊勢市立厚生小学校5年の松本莉子さんから花束を受け取り、記念撮影を行った。
その後、記者会見に臨み、岸田首相は「国民の皆さんにとって今年がすばらしい1年になるよう、日本そして世界の平和と繁栄を祈った。この時代の大きな転換期にあって、未来の世代に対しこれ以上先送りできない課題に正面から挑戦し、一つ一つ答えを出していくことが岸田政権の歴史的役割であると覚悟し政権運営に臨んできた。防衛力の抜本的強化、エネルギー政策の転換とGX(グリーン・トランスフォーメーション)の実行、スタートアップ育成5カ年計画、NISA(少額投資非課税制度)の恒久化などを昨年に引き続き覚悟を持って挑戦を続けていく。特に今年は、賃上げ、投資促進、異次元の少子化対策・子育て支援強化に全力で取り組み、賃金が増え、日本企業が強くなり、子どもが増える、そんな社会を次の世代に引き継いでいけるように取り組んでいく」とあいさつした。
岸田首相は「この伊勢の地を訪れるたびに思い出すのは7年前、G7議長としての安倍(元)総理の卓越したリーダーシップの下で行われた伊勢志摩サミット。本年、再び5月に広島でサミットを開催する。G7議長国、安保理非常任理事国として、日本そして世界の平和と繁栄に主導的役割を果たし、被爆地広島から世界に向けて、核兵器のない世界の実現に向けた力強いメッセージを発信していく」と決意を述べた。
6月16日~18日に志摩市で開催されるG7関係閣僚会合「三重・伊勢志摩交通大臣会合」についての質問に対して岸田首相は「現在、各国が直面する少子高齢化に伴う地域格差、地球規模の気候変動などの課題解決に向けて、リニアを含めた日本の技術革新、先進的な取り組みは大きな意義を有している。今後の交通政策に関する議論にこうした日本の技術革新や先進的な取り組みを反映すべくしっかりと取り組み、共同声明として世界に発信をすることができれば」と説明した。