山梨県甲州市出身の雨宮国広さんが全国の子どもたちと石おのだけで丸木舟を作るプロジェクト「47都道府県 丸木舟作りツアー」西日本編が2月4日・5日、三重県のともやま公園キャンプ村(志摩市大王町)で開かれる。
【その他の画像】「正装」の「Jomonさん」こと雨宮国広さん
元宮大工で、縄文人の生活を自ら再現し、「縄文大工」「Jomon(じょうもん)さん」と呼ばれる雨宮さん。動物の毛皮を身にまとい石おのを手に素足で活動する姿を「正装」と呼び、縄文人をリスペクトし、「縄文スタイル」を実践する。
人類が木の棒に石を取り付けた道具「石おの」を子どもたちと作り、大海を航海できる超高性能な丸木舟を全国のキャンプ場を巡りながら作り上げるプロジェクト「Jomonさんがやってきた!」の一環として行う。雨宮さんによると、「木の命を頂くということ」「人類にとっての道具とは何か」「地球上の全ての生き物が楽しく仲良く面白く暮らせること」「ものづくりとは何か」を子どもたちと共に考えるのが目的だという。
第1弾は「杉の命をいただく」と題して2021年8月、愛知県東栄町で江戸時代からある樹齢約250年、重さ約30トン、高さ約48メートル、幹の太さ直径約1.4メートルのスギの木を石おのだけで伐採した。19日間かけ延べ200人が参加した。
第2弾が「47都道府県 丸木舟作りツアー」で、東日本編は昨年7月~12月に北海道から京都まで25都道府県を巡り、延べ517人が参加した。西日本編は三重県から始まり、奈良県(白川渡オートキャンプ場)、和歌山県(遠井キャンプ場)、大阪府(かいづか いぶきヴィレッジ)などを巡りながら、7月に沖縄県に到着し完成させる予定。
第3弾は「原始航海体験 丸木舟試乗会」。沖縄、山口県・瀬戸内、静岡県・浜名湖で、完成させた丸木舟の試乗会を重ねながら、9月に山梨県にゴールする。
雨宮さんは「2018(平成30)年~2019(平成31)年に丸木舟を木の伐採から仕上げまで石おのだけで作り、台湾から与那国島まで航海する国立科学博物館主催の『3万年前の航海 徹底再現プロジェクト(完結編)』に参加したことがきっかけで、子どもたちにそこで感じ学んだことを伝えたいと思った」と話す。
「縄文時代の手道具を用いたものづくりを通して、効率主義では生み出せない全ての命を大切にする人間の暮らしの在り方を意識するきっかけになれば」と参加を呼びかける。
4日は自己紹介、プロジェクトの説明、紙芝居、石おの作り、5日は石おので丸木舟作りを行う。両日とも9時集合、16時終了。参加無料。申し込み不要。弁当、軍手、雨具(雨天の場合)の持参が必要。