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伊勢市出身のアニメ映画監督・高畑勲さんの展覧会 三重県総合博物館で

伊勢市出身のアニメ映画監督・高畑勲さんの展覧会 三重県総合博物館で

伊勢市出身のアニメ映画監督・高畑勲さんの展覧会 三重県総合博物館で

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 伊勢市出身でアニメーション映画監督の故・高畑勲さんの展覧会「高畑勲展 日本のアニメーションに遺(のこ)したもの」が7月8日から、三重県総合博物館MieMu(津市)で始まった。

【その他の画像】「高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの」7月8日~9月18日、三重県総合博物館MieMuで

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 高畑さんは、1935(昭和10)年に伊勢市で生まれ幼少期を伊勢で過ごす。1938(昭和13)年に津市に移り、1942(昭和17)年三重県師範学校附属国民学校へ入学するが1943(昭和18)年に岡山県へ家族で引っ越し、少年時代を岡山で過ごす。1954(昭和29)年岡山朝日高校を卒業、東京大学フランス文学科へ。1959(昭和34)年に同大を卒業、東映映画(現・東映アニメーション)へ入社する。のちに1985(昭和60)年、宮崎駿さんらとスタジオジブリを設立する。

 高畑さんは1960年代から半世紀にわたって活躍。1968(昭和43)年、長編初監督作品となった「太陽の王子 ホルスの大冒険」の後、70年代にはテレビアニメ「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」の全話演出を手掛けた。80年代以降は映画「じゃりン子チエ」「火垂るの墓」「おもひでぽろぽろ」「平成狸合戦ぽんぽこ」「ホーホケキョ となりの山田くん」などを手掛け、2013(平成25)年公開の映画「かぐや姫の物語」は遺作となってしまった。2018(平成30)年4月5日、肺がんで亡くなる。

 同年5月15日に東京・三鷹の森ジブリ美術館で開かれた「お別れの会」の開会の挨拶で宮崎さんは「ありがとう、パク(高畑さんのニックネーム)さん。55年前、あの雨上がりのバス停で声をかけてくれたパクさんのことを忘れない」と、1963(昭和38)年に高畑さん27歳と宮崎さん22歳が初めて出会い、初めて言葉を交わした日のことを、言葉を詰まらせながら語っている。

 同展では、制作ノートや絵コンテ、原画、背景画、映像など1300点以上の資料を展示、絵を描かない監督がどのようにして歴史に残るアニメーションをつくったのか、ほかのクリエイターたちとの交流や共同作業の過程を、「出発点『アニメーション映画への情熱』」、「日常生活のよろこび『アニメーションの新たな表現領域を開拓』」、「日本文化への眼差し『過去と現在の対話』」、「スケッチの躍動『新たなアニメーションへの挑戦』」の4章で構成、展示する。

 2019年東京国立近代美術館を皮切りに、2020年岡山県立美術館、2021年福岡市美術館、新潟県立近代美術館、2022年台湾流行音楽中心(台湾・台北市)を巡回展示し、高畑さんゆかりの三重での開催は6カ所目になる。

 7月7日に開催された開会式・内覧会で高畑さんの長男・高畑耕介さんは「子どものころ、父が三重に出張に行くと必ず赤福を買ってきてくれた」と回想、「ぜひ注目してみてほしいのは『赤毛のアン』のオープニング主題歌の1分半に満たない映像。コンテからレイアウト、完成映像までの一連の制作過程を追うことができる」と話す。

 関連イベントとして、7月23日、30日には「ぬりえでパラパラまんがを作ろう」、8月18日には「平成狸合戦ぽんぽこ」の上映会を開催する。

 開催時間は9時~17時。月曜休館(7月17日、9月18日は開館)。観覧料は、一般=1,600円、大学生=1,000円、小中高校生=500円。9月18日まで。

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