暮らす・働く

志摩市・東原建築工房の当時24歳棟梁が初めて建てた家、次々建築賞受賞

志摩市・東原建築工房の当時24歳棟梁が初めて建てた家、次々建築賞受賞(写真提供=東原建築工房)左=東原達也さん、右=東原大地さん

志摩市・東原建築工房の当時24歳棟梁が初めて建てた家、次々建築賞受賞(写真提供=東原建築工房)左=東原達也さん、右=東原大地さん

  • 80

  •  

 志摩市の工務店「東原建築工房」(志摩市阿児町、TEL 0599-45-2911)の当時24歳の東原大地さんが棟梁(とうりょう)として初めて手がけた住宅「志摩の小庭 いかだ丸太の家」(同)が次々と建築賞を受賞している。

【その他の画像】東原建築工房の東原達也さんと大地さん、東京大学「第17回木の建築賞」表彰式の様子

[広告]

 昨年、創業120周年を迎えた「東原建築工房」は現在、大地さんの父・達也さんが4代目代表を務める。大地さんは、2014(平成26)年に伊勢工業高校建築科を卒業し、ものつくり大学(埼玉県行田市)で建築の基礎を学び、2018(平成30)年卒業後、志摩市に戻り5代目として家業を継ぐ。現在27歳。

 大地さんが手がけた住宅は、同市の竹内和彦さんと妻の千鶴さんが2018(平成30)年に施工依頼したもので、リアス式海岸の英虞湾近くの約2800坪の高台の自然豊かな森の中に立つ。国土交通省の「気候風土適応型プロジェクト2018」平成30年度サスティナブル建築物等先導事業(気候風土適応型)に採択された。設計は、M5(エムサンク)アーキテクト一級建築士事務所(愛知県北名古屋市)。2020年完成。

 石の上に柱を載せる石場建て、地元の土と稲わらをまぜた土壁、釘などを使わない木組みで昔ながらの伝統構法で作り上げ、資材も可能な限り、地元産、県産を使った。住宅名の「いかだ丸太」は真珠養殖が盛んな志摩市において養殖用いかだの材料として供給可能な県産ヒノキの丸太を屋根材に採用した。

 2021年には日本ウッドデザイン協会「ウッドデザイン賞2021 ソーシャルデザイン部門 建築・空間分野」、三重県建設業協会「第40回三重県建築賞 住宅部門会長賞」、中部建築賞協議会「第53回中部建築賞」を、2022年には三重県「第1回みえの木建築コンクール 住宅新築部門最優秀賞」を、2023年には木の建築フォラム・日本建築士会連合会共催の「第17回木の建築賞 木の住宅賞」を受賞した。

 大地さんらは6月25日、東京大学農学部アネックスセイホクギャラリー(東京都文京区)であった「第17回木の建築賞」の表彰式に出席するため上京し、表彰状を直接受け取った。

 大地さんは「日本の気候風土に根付いた伝統構法で建てた建築物が、評価されたことはとてもありがたい。もともとものを作るのが好きで得意だったので、それを仕事にできる今の環境は素晴らしい。これから大工を続けていくからには新しいことにも古いことにも真剣に向き合い学び経験を重ね、できる限りの力を出し切りたい」と話す。

 達也さんは「M5アーキテクトの六浦基晴さんが設計をまとめてくれて、その後のフォローやコンテストに応募してくれたおかげで、多くの人に評価されることになった。とてもうれしい。伝統構法の良さについて知ってもらえる機会になれば」とほほ笑む。

伊勢志摩経済新聞VOTE

現在お住まいはどちらですか?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース