鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽)の恒例の水中入社式が3月31日、エントランスホール正面にある同館で最も大きい水槽の中で行われた。
入社式会場は、水量約800トン、奥行き15メートル、幅16メートル、深さ5.5メートルで、アオウミガメやナポレオンフィッシュなど約50種3000匹の魚たちが泳ぐ「コーラルリーフダイビング水槽」の中。水中入社式は、2006(平成18)年から行われ、2007(平成19)年、2021年を除く、17回開催する恒例行事。
今年度は飼育研究部に配属される兵庫県出身の西田陽菜さん、山本海輝さん、東京都出身の谷裕太さん、国弘朱生(しゅう)さん、京都府出身の古川瑠里さんの5人が水中入社式に臨んだ。
5人は、背中に初心者マーク付きの空気ボンベ、水中眼鏡をかぶり、リクルートスーツを着て潜ると、魚たちから祝福を受けた。若井嘉人館長が辞令書を読み上げ、水中の飼育研究部長の若林郁夫さんから新入社員代表の西田さんに辞令書が手渡された。
谷さんは「1日も早く一人前の飼育係として生き物とお客さまの架け橋となれるようにがんばります」と水中マイクを通してあいさつした。
同館は、3月12日に亡くなった中村幸昭(はるあき)さんが1955(昭和30)年5月15日に開館。世界初スナメリの飼育下での繁殖成功やラッコブームとなった日本初ラッコの赤ちゃん誕生、飼育下でのジュゴン長期飼育世界記録達成、世界初オウムガイ3世誕生などの飼育実績を持つ。開館時50種ほどだった飼育種類は、1994(平成6)年の新鳥羽水族館移転で700種を超え2013(平成25)年に、飼育種類数約1200種に到達し「飼育種類数日本一の水族館」になる。