二見興玉神社(伊勢市二見町)の境内にカフェと美術ギャラリーを合わせた「海風美術店」(TEL 0596-63-9110)がオープンして、7月1日で半年がたった。
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店内には、美術館や博物館などで作品を展示する際に推奨されるクラス3の照明を使い、展示ブースのガラスには低反射フィルターを貼る。天気や時間帯によって変化する二見浦の景色を眺める風景窓を設置するほか、同神社の祭典などを紹介する映像をプロジェクターで壁面に投影する。
カフェメニューは、飯高町香肌産の伊勢緑茶や「なかむら珈琲(コーヒー)」(船江)の焙煎(ばいせん)コーヒーはハンドドリップでいれる。「伊勢緑茶」「ほうじ茶」「甘酒」(以上500円)、「極上伊勢緑茶」「棒ほうじ茶」「コーヒー」(以上650円)、「大内山牛乳」(大紀町)を使った「伊勢緑茶ラテ」「ほうじ茶ラテ」(以上700円)などのドリンクのほか、二見興玉神社にちなんだ「興玉さまのかえるクッキー」(250円)、注文が入ってから求肥で包む「包たてかえる最中」、「岩戸の塩」(二見町)の塩と「伊勢製餡所」(河崎)を入れた「伊勢緑茶あんバターパン」(以上350円)などを用意する。
運営は、アーティストとイベントの企画・制作を行うウィズホワイト(東京都港区)。社長の黒江信吾さんは「流行に左右されない日本の美しさを表現したいと思い、神域から発信する日本人のアート作品を紹介している。道開きの神様である猿田彦大神を祭るこの地から若手日本人アーティストの作品を発信したいと思い出店を決めた」と振り返る。
常設展以外に、日本画を中心に作品を制作する東京芸術大学美術学部絵画科日本画専攻を2018(平成30)年に卒業した川上椰乃子(やしのこ)さんの個展「旅の途中」も開催。7月28日まで、同大を2016(平成28)年に卒業した古山結さんの個展「佳詩」を開いている。
黒江さんは「より多くの方に知ってもらうため、絵画などのほかに現在、土産品となるアート作品を制作中。『現代の浮世絵プロジェクト』として、絵師・彫師・摺師(すりし)と分業制だった当時の浮世絵を一点一点、手作業で作っている。まずは二見興玉神社をテーマにした浮世絵がまもなく完成する。短冊状の猿田彦大神や龍神様の木版画や木版画の封筒なども制作しているので楽しみにしていただければ」とも。
営業時間9時~17時。水曜・木曜定休。