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志摩・佐藤養殖場「的矢かきテラス」 旬のマガキ求めてフライング客増

志摩・佐藤養殖場「的矢かきテラス」 旬のマガキ求めてフライング客増

志摩・佐藤養殖場「的矢かきテラス」 旬のマガキ求めてフライング客増

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 カキの生産・販売を行う佐藤養殖場(志摩市磯部町、TEL 0599-57-2612)隣接の直営レストラン「的矢かきテラス」に現在、今シーズンのマガキの出荷が始まったと勘違いする客からの連絡が増えている。

【その他の画像】佐藤養殖場直営レストラン「的矢かきテラス」の一番人気「牡蠣テラス御膳」

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 1925(大正14)年創業で来年100周年を迎える同社。水産学者で創業者の佐藤忠勇博士(1887-1984)が発明した、かごの中にカキを入れ海の中につるす「垂下式カキ養殖法」、成長したカキを紫外線殺菌した海水に20時間以上漬け浄化する「紫外線滅菌浄化法」は、日本の生カキの品質を劇的に向上させた。佐藤博士は、その技術を誰もが使えるように広く公開しその結果、日本のカキ養殖産業発展にも貢献した。

 同社は2022年1月、事務所と倉庫を改装し海に面したテラスや海上いかだを作り、気軽にカキを食べてもらえるレストランをオープンさせた。昨年、三重ブランドにも認定されている「的矢かき」をより多くの人に知ってもらい食べてもらおうと、周知効果を期待し、毎年4月1日を「的矢かきの日」として記念日登録した。現在、この地で100周年を迎えることへの感謝を込めた周年イベントを企画中。

 そんな中、夏から秋に季節が変わり、マガキの身が成長し食べられると勘違いし、常連客やカキ好きの客からの電話やメールでの問い合わせが増えているという。

 同社社長の濱地大規さんは「アルファベットで『R』の付く月がカキの旬だと言われてきたが、海水温の上昇などの環境変化でカキの旬がずれてきているのは事実。お客様も9月はまだ早いと認識しているようなので9月には問い合わせは少ないが、10月に入ると涼しくなることも影響してか、一気に問い合わせが増える」と話す。

 濱地さんは「マガキはまだ提供できないが、1年中生ガキとして食べることができる『シングルシードオイスター』の養殖もしているため、夏には爽やかな味わいのものがこの時期には味に深みが出て、さらにおいしくなる。シングルシードオイスターのメニューを提案すると、納得して来店し喜んで帰っていただいている。今年のマガキの提供は、11月10日ごろからの予定。10月でも安心してフライングしていただければ」と呼びかける。

 シングルシードオイスターとは、1粒ずつバラバラのカキを専用の籠の中に入れ、波の力を利用して籠が揺らしながら養殖する方法。殻が削れることで殻の成長に使われるべき栄養が身に集中し、深みのある殻(カップ)が形成され夏場でも肉厚な身ができるなどのメリットがある。

 一番人気の「牡蠣(かき)テラス御膳」(5,500円)は、的矢シングルオイスター生カキ5個、3種のカキの前菜(つくだ煮、燻製、みそ焼き)、3種のカキ料理(カクテルソース、わさびクリームチーズ、燻製オリーブピンチョス)、カキフライ4個、カキごはん、アオサみそ汁、漬物、デザート、ソフトドリンクがセットになったメニュー(カキの個数はサイズに合わせて調整、料理は季節に合わせて変更)。

 営業時間は10時~15時、火曜定休。予約も受け付ける。

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