伊勢神宮で10月15日から行われる神嘗祭(かんなめさい)に合わせて「おかげ横丁」(伊勢市宇治中之切町)に食品などを納める企業関係者らが10月12日、秋の収穫を神様に感謝する「伊勢神宮奉納行列」を行った。
【その他の画像】「伊勢神宮奉納行列」神嘗祭に合わせて毎年伊勢神宮へ奉納
その年の新穀を天照大御神(あまてらすおおみかみ)に奉納し五穀豊穣(ごこくほうじょう)に感謝する神嘗祭。伊勢市内では、神領民が力を合わせて初穂を奉曳車(ほうえいしゃ)と初穂船に載せて伊勢神宮へ奉納する初穂曳(はつほびき)する行事が行われる。15日は陸曳(おかびき)で外宮(げくう)へ、16日には、五十鈴川を川曳(かわびき)で内宮へ、それぞれ奉曳し奉納する。
「伊勢神宮奉納行列」では、志摩市で水揚げされた大きな伊勢エビばかりを集めた「長寿伊勢エビ」や特別栽培米の「イセヒカリ」、伊勢の地酒「おかげさま」などの地元産品のほか、青森産リンゴ、北海道産のミルクジャム、丹羽産のクリなど59社から81品がそろった。
行列は、明治期まで神様への奉仕を少女が行っていたことにちなみ、五穀(米・麦・粟・黍・豆)を手に持った袿(うちき)姿の少女を先頭に約100人が奉納品を携え、伊勢神宮内宮まで歩いて進み、奉納した。その後、おかげ横丁内で、1匹2キロ以上の巨大伊勢エビを入れたみそ汁を一般客に振る舞った。
おかげ横丁を運営する伊勢福(同)店舗運営部広報課の池田絢子さんは「『伊勢神宮奉納行列』は、2003(平成15)年に始めた『恵みの市』から実施している。台風などで行列を作らず奉納した年もあった」と話す。