自家焙煎コーヒー専門店の「なかむら珈琲」(伊勢市船江)が12月26日、おかげ横丁(宇治中之切町)内にある唯一の洋館にオープンした。
同店は、ジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップで2017(平成29)年大会で3位受賞、現在2025年大会のファイナリスト12人に選ばれている中村純也さんが、生産履歴が明確で品質の高い生豆を仕入れ、ピッキング、自家焙煎し、ハンドドリップでコーヒーを提供する。2016(平成28)年G7伊勢志摩サミットでの配偶者プログラムで「伊勢志摩サミットブレンド」を提供し、元ドイツ首相のアンゲラ・メルケルさんの夫のヨアヒム・ザウアーさんはそのコーヒーをお代わりした。
元々、ろうそくなどを販売する「灯りの店」があった場所をリニューアル。客席数は24席。イタリア・マルゾッコ傘下の「modbar(モッドバー)」のエスプレッソマシーンを導入。バリスタが淹れるスペシャルティコーヒーの提供のほか、自家焙煎の珈琲豆やクラフトチョコレート、地元特産を使ったブランチやオリジナル商品を販売する。
メニューは、「エチオピア」「ブルンジ」「コスタリカ」(以上700円)、「伊勢志摩サミットブレンド」「おかげブレンド」(以上650円)のホットコーヒー(アイスコーヒーは50円増し)。「コロンビアゲイシャナチュラル」(1,500円、アイス1,700円)、「パナマゲイシャウオッシュ」(1,000円、アイス1,100円)、カフェラテ(750円)、ショコララテ(800円)、カフェ・オ・レ(650円)、自家製スイーツ「オペラ」(600円)、「チーズケーキ」(550円)、「ティラミス」(600円)などを用意する。
中村さんは「全て自社製造、チョコレートもカカオから焙炒している。『おかげブレンド』はブラジル、インドネシア、東ティモールをブレンドした。オープン当初のカフェラテなどのエスプレッソはゲイシャを使用しているが、無くなれば別の豆になる予定」と説明。
サンフランシスコ出身で約5年間カリフォルニアのカフェでバリスタとして働いた経験を持つマーク・アコスタさんは「アメリカのカフェ業界では、なかむら珈琲のことが話題になっていたので、こうして働けることはとてもうれしい。現在20種類くらいのラテアートができるが、さらに楽しんでもらえるよう練習している。おかげ横丁の人気者『おかげ犬』のラテアートができるように現在、特訓中」と話す。
中村さんは「地元の皆さまや観光で訪れた方々にとって、ふと立ち寄れる場所でありたい。ふとした瞬間に飲むコーヒーがおいしければ、その後の時間もきっと幸せに感じられる。そんな一杯を目指し一杯一杯、心を込めてお届けしたい」と思いを込める。
営業時間は9時30分~17時。