「フィギュア好き」三重県多気の製薬会社社長、「経営品質」日本一に

日本経営品質賞を受賞した万協製薬の松浦信男社長はフィギュア好き。自宅の倉庫には2万体のフィギュアが並ぶ。

日本経営品質賞を受賞した万協製薬の松浦信男社長はフィギュア好き。自宅の倉庫には2万体のフィギュアが並ぶ。

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 フィギュア収集家の松浦信男さんが社長を務める万協製薬(多気郡多気町五桂)が、経営品質を表彰する日本一の賞「日本経営品質賞」を受賞した。経営品質日本一になった企業社長の趣味が、「フィギュア収集」というギャップに注目がさらに集まりそうだ。

最近ハマっているという仮面ライダーの等身大フィギュア。

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 医薬品、医薬部外品、化粧品の製造を主業務とする同社は1960(昭和35)年、神戸市で設立。1995年阪神淡路大震災で被災し、1996年本社工場を現在の多気町に移し再創業した。外用薬の受託製造を主軸に、14年間で約43倍に売り上げを拡大。当時の医薬品業界では先駆的だった「外用医薬品の受託製造サービス」をメーンに、製品開発から出荷までの完全受託製造、自社で企画・開発した商品のOEM供給事業などを展開する。2008年度「三重県経営品質賞知事賞」も受賞。

 松浦社長は、ガンダム、ゴジラ、ウルトラマン、宇宙戦艦ヤマトなど約2万体を集めるフィギュア収集家。同社総務部の高島久美さんは「最近熱が入っているのは、1分の1スケールの仮面ライダーシリーズ。仕事が終わると同じ趣味を持つ社員らと等身大仮面ライダーの制作に余念がない(笑)」と打ち明ける。

 松浦社長は「本業とまったく関係ないフィギュアが注目されて当社を知ってもらうこともあり、何がどうつながっていくかわからない。60坪のこの趣味の部屋を維持するために仕事でも日本一を目指そうと思った。実際に日本経営品質賞を受賞することができて大きな自信になった。お堅い取材よりもフィギュアを見てほしい(笑)」と笑顔で話す。

 日本生産性本部(東京都渋谷区)経営品質賞委員会が審査する日本経営品質賞は、国際競争力を持ち顧客本位でイノベーションし続ける組織に対して表彰する制度で1995年創設、国際標準化機構のISO9000シリーズよりも厳格とされる。「大規模部門」「中小規模部門」「地方自治体部門」があり、これまでの14年間に171組織が申請し26組織が受賞する。過去の主な受賞企業は、福井キヤノン事務機、トヨタ輸送、パナソニック、富士ゼロックス千葉、HondaCars中央神奈川など。2009年度の日本経営品質賞の受賞は、同社のほかスーパーホテル(大阪市)の2社のみ。中小規模部門では10社目。三重県内での受賞は初めて。

 来年2月25日・26日、ロイヤルパークホテル(東京都中央区)で行われる表彰式と報告会に出席する。

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