4年後に創業200年を迎える伊勢の老舗みそ製造会社「糀屋（こうじや）」（伊勢市宮後）が昨年から販売する「みたらし風プリン」が、口コミで人気を集めている。

人気の伊勢こうじやの「みたらし風プリン」に入っている「本たまり」

　オリジナルのみそとしょうゆを製造販売する同社。色が濃く、「とろみと濃厚なうま味、独特の香り」が特徴のたまりじょうゆを使い、生クリームと牛乳、砂糖などを加え作ったプリンは、「なめらかで濃厚。後でほんのり、たまりじょうゆがやってくる」と、30～40代の地元女性を中心に人気を得ている。

　たまりじょうゆは、愛知県を中心とした東海地方独特な食文化から誕生したしょうゆで、伊勢志摩地方でも「熟成され」地域独自の味となった。大豆が主原料で、小麦はごくわずか。原料を蒸し「みそ玉麹（こうじ）」を作り食塩水で仕込み、底にたまった液をくみ掛けながらほぼ1年間発酵・熟成させ完成する。「伊勢うどん」も、このたまりじょうゆがなければ生まれなかった。

　同商品は昨年3月、「たまりじょうゆを使って何かできないか」と発案。試行錯誤の末、完成させた。同社8代目の河村謙吾社長は「お客さまからはたまりの糀が効いて甘味を引き出しているのでは？と言っていただいている。一度ご賞味いただければ」と話す。

　同商品は工場に隣接する店舗「糀屋」でのみ販売。価格は252円（通常294円）。同店の営業時間は9時～17時。日曜・祝日定休。