全国から花火師が集まり伊勢神宮への奉納のために花火を打ち上げる「伊勢神宮奉納全国花火大会」が9月12日、伊勢市の宮川の河畔で行われた。
1953(昭和28)年から始まり今年で63回目を迎えた同大会。本来は7月18日に予定していたが、台風11号の影響で宮川の増水を懸念して9月に日程を変更した。
「全国花火競技大会 大曲の花火」(秋田県)、「土浦全国花火競技大会」(茨城県)、最も歴史のある「長岡まつり花火大会」(新潟県)の3大会を「日本三大花火大会」とよぶのに対して、大曲、土浦のほか、長岡に代わって「伊勢神宮奉納全国花火大会」を加えた3大会を「日本三大競技花火大会」とよぶ。
競技は、「打上花火の部」と「スターマインの部」で構成。打上花火の部では、花火師1人あたり10号玉曲導付割物1発と5号玉創造花火3発の計4発で競技を行い、色彩、配色、技術などを、スターマインの部では、参加花火師が自ら設定したテーマに沿った花火を限られた時間内で表現、玉数、制限時間、色彩、配色、打ち上げのリズムなどをそれぞれ審査する。
スターマインの部国土交通大臣賞、打上花火の部観光庁長官賞は、共にマルゴー(山梨県、花火師=齊木智徳さん)が受賞。1位から3位までの受賞者は以下の通り。
打上花火の部、優勝はマルゴー(山梨県、花火師=齊木智徳さん)、準優勝は紅屋青木煙火店(長野県、同=青木昭夫さん)、小松煙火工業(秋田県、同=小松忠信さん)、3等は、野村花火工業(茨城県、同=野村陽一さん)、齊木煙火本店(山梨県、同=齊木克司さん)、小口煙火(長野県、同=小口芳正さん)。スターマインの部、優勝はマルゴー(山梨県、花火師=齊木智徳さん)、準優勝はアルプス煙火工業(長野県、同=堀内幸敏さん)、3等は丸玉屋小勝煙火店(東京都、小勝一弘さん)。
今年は7月から9月の開催となったこともあり、観客からは「涼しくて気持ちいい。来年もこの時期にすればいいのに」「夏の終わり、秋風を感じながらの花火大会もいいものだ」と所々で話しているのが聞こえた。伊勢市制施行10周年記念のスターマインや、グランドフィナーレでは藤井フミヤさんが歌う伊勢神宮式年遷宮イメージソングとなった「鎮守の里」に合わせた恒例のワイドスターマインなども行われ、多くの人が秋の夜空に浮かぶ大輪の花の数々に魅了されていた。