6月1日に発売された三重の季刊ローカル誌「NAGI凪(なぎ)」33号(夏号)が、県内の地元に根ざした食べ物・料理を特集している。「郷土料理」と呼ばれるものよりは風土性は希薄だが、その地域ではどこでも知られ、共通の話題として熱く語れる「食」にフォーカスし、県内の30店を紹介する。発行は「月兎舎(げっとしゃ)」(伊勢市馬瀬町)。
同誌では、思い出したらたまらなくなる「魂(ソウル)」に刻まれた食べ物を「ソウルフード」と呼び、32ページに及ぶ特集タイトルは「愛しのソウルフード」と打った。広域伊勢志摩圏内では「キッチンクック」(伊勢市岩渕)のドライカツカレー、「喫茶モリ」(同)のスパゲティ、「まんぷく食堂」(同)のからあげ丼のほか、「ソウルおやつ」として「美福」(同市吹上)のたこせん、「あこや」(志摩市阿児町鵜方)のあこやぱんじゅうなどがカラー写真付きで紹介されている。
「モリスパ」と伊勢の人たちから親しまれるモリのスパゲティは、熱く焼かれた鉄板の上に溶き玉子とスパゲティ、赤ウインナーが乗る。伊勢出身のDJ、プロデューサー・藤原ヒロシさんもグーグルマップで店の場所を紹介している。「からあげ丼」は同じく伊勢出身の作家・橋本紡さんの小説「半分の月がのぼる空」で紹介されて以来、全国のファンが伊勢を訪ねると必ず食べて帰る定番になっている。
同誌の坂美幸編集長も、昨年「郷土料理百選」に選ばれた「伊勢うどん」を、「いつまでも全国区にならない『ソウルフード』として愛着が大きい」と話す。
同誌は三重県内の書店、道の駅などで販売中。価格は670円。
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