南伊勢町・五ヶ所浦の堤防にイワシの大群が現れ、釣り愛好家だけでなく、初めて釣りをする人でも昼夜・満干潮を問わず、さおを垂れるだけで次から次へと釣れる「入れ食い」状態になっている。
イワシの大群は、湾の形がカエデの葉に似ていることから「楓江湾(ふうこうわん)」とも呼ばれるリアス式海岸・五ヶ所湾湾奥の五ヶ所浦と下津浦で顕著に見られ、今年9月ごろから始まり、現在まで続いている。
魚種は、マイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシの群れで、堤防から数センチの距離を回遊しているので肉眼でも群れを観測できる。釣り人は何本も針を付けて釣る「サビキ釣り」で、その群れの中に針を下ろすだけで次から次へと釣る。近くで土木工事をする人も昼休みの数分を利用して数十匹を釣り上げた。15~25センチの大きさのマイワシがよく釣れる。
釣り場から徒歩5分の場所で30年弱営業する釣具店「サニー園(度会郡南伊勢町五ヶ所浦、TEL 0599-66-1733)」店主の山川且さんは「13年くらい前にもイワシの大群がやって来たことがある。湾口付近でタチウオやハマチがよく釣れているので、恐らくそれらに狙われ逃げ込んできたのでは」と推察を加える。「イワシの群れがやってくることは珍しくないが、2カ月以上『入れ食い』の状態が続いているので、地元の人も飽きるほどになってきた(笑)」とも。