受注後に海から揚げ仕込む―南伊勢町のこだわり「たいの西京漬け」

大下水産の大下弘和社長と妻の清美さん。注文を受けてから海からタイを引き揚げ、原材料にもこだわり仕込む「たいの西京漬け」を商品化。

大下水産の大下弘和社長と妻の清美さん。注文を受けてから海からタイを引き揚げ、原材料にもこだわり仕込む「たいの西京漬け」を商品化。

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 「どれだけこだわってタイを育てても、自分で自分のタイの価格が決められない。それならば自分で売るしかない」――と一念発起したのは、大下水産(南伊勢町迫間浦、TEL 0599-64-2124)社長の大下弘和さん。注文を受けてから海からタイを引き揚げ、原材料にもこだわり仕込む「たいの西京漬け」を商品化し、試行錯誤しながら販売を開始した。

医療用のガーゼでタイの切り身を丁寧に包んでいる。

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 昔からタイ養殖が盛んだった同地区は、日本人の魚食離れとともに慢性的に魚価の低迷と景気の悪化から、どの事業者も苦しく廃業、転業を真剣に考えないといけない状況にまで陥っている。

 こだわりのタイは、大下さんの23年間の経験と研究から EM菌を混ぜたオリジナルの餌を毎日、タイの健康状態を確認しながらやるという。西京漬けには有機米、有機大豆を使用したみそを、砂糖の代わりに国産のアカシアはちみつを使用するなど徹底した。食べた後のみそも食べてもらえるようにと医療用のガーゼでタイの切り身を包んでいる。

 加工・レシピを担当する妻の大下清美さんは「主人が愛情を込めて育てたタイなので、タイの頭も捨てられない。お客さまから頂く感想が励みになっている。少しでも多くの人に主人の作ったタイを食べてもらえれば」と話す。

 同商品はタイの片身約450グラムで3,150円~。現在インターネットでの販売も検討中。問い合わせは同社(ファクス 0599-64-2223、メール oshita@amigo2.ne.jp)まで。

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