伊勢神宮の別宮や摂社、末社など計125社の神々が一堂に会して食事をし、酒や踊りを楽しむとされる「一月十一日御饌（いちがつじゅういちにちみけ）」が1月11日、新年の初詣客でにぎわう伊勢神宮内宮で行われた。

一月十一日御饌125社の神々が一堂に会する「神様の新年会」

　午前に忌火屋殿（いみびやでん）前の祓所（はらえど）で神様の食事＝御饌をおはらいした後、正殿前の東にある四丈殿（よじょうでん）で神様に供え、午後に内宮神楽殿東にある五丈殿で神宮楽師が笛やひちりき、琴に合わせて歌を歌い6人の舞人が踊った。

　舞人は、「小忌衣（おみごろも）」といわれる平安時代の衣装を身にまとい、「おいかけ」といわれる冠の左右に馬の尾の毛を束ね半月形にひらいた独特の飾りを着けて日本古来の歌舞「東遊（あずまあそび）」を踊った。一月十一日御饌は、一年に一度だけ125社の神々が一堂に会して食事をしながら歌や踊りで盛り上がる「神様の新年会」ともいわれている。

　「日本がここに集まる初詣」と詠んだのは山口誓子。今年の伊勢神宮内宮・外宮の正月3日間の参拝者数は内宮＝37万1962人、外宮＝15万1759人、計52万3721人だった。平日だった11日も大勢の参拝客が大型観光バス200台以上に乗って全国から訪れた。