夏至にあたる6月21日、二見興玉神社(伊勢市二見町)の夫婦岩(めおといわ)の前の海岸でみそぎを行う恒例の「夏至祭」が執り行われた。
この日は、全国から約350人が集まり、頭には日の丸のはちまき、男性はふんどし、女性は白装束姿で、日の出時刻の4時40分に一斉に海に入り、国歌「君が代」を全員で唱和した。
伊勢地方は幸い雨は降らなかったが、梅雨前線と気圧の谷の影響で空一面に雲が広がり、多くの参加者が期待した「夫婦岩の間から富士山と太陽が重なる風景」を見ることは叶わなかった。昨年は台風4号の影響を受け雨の中執り行われた。
大しめ縄が掛かる夫婦岩は、太陽または霊峰・富士をご神体とみたてて鳥居の役割を果たしているといわれている。参加者は、夫婦岩の男岩と女岩に掛かる大しめ縄の間を見つめ雲の向こうに朝日と富士山が重なる光景をイメージしながら手を合わせていた。
鈴木健一伊勢市長は今年3回目の参加。「台風の進路に備えて市役所に詰めていたため、昨年は残念ながら参加できなかった」と打ち明ける。初参加の鈴木英敬三重県知事は「爽やかな気持ちで、(心が)改まった」と話す。そのほか、6月20日・21日の2日間、「賓日館(ひんじつかん)」(同)で2人芝居「花音(かのん)」の公演を行っている女優の鶴田真由さんらもみそぎに参加した。
祭典中には太陽は出なかったが6時ごろからのほんの一瞬、雲の層を突き抜け柔らかな太陽の光が人々を照らしていた。