日本神話に登場するサルタヒコを祭る猿田彦神社(伊勢市宇治浦田)で10月24日、本殿遷座祭が行われた。
サルタヒコは、日本神話「天孫降臨」でアマテラスの孫にあたるニニギを先導・道案内(みちひらき)した神様とされ、元々その地を治めていた神(国津神)とされる。同神社は、猿田彦大神(サルタヒコオオカミ)と、現在の伊勢神宮の地を倭姫命(ヤマトヒメノミコト)に献上したとされる大田命(オオタノミコト)を祭る。
同神社は、その神話に基づき、交通安全、土地開発、開業、開運など「みちひらき」に関することにご利益があるとされる。境内社の「さるめ神社」は、日本神話「岩戸伝説」で岩屋の前で踊り、「天孫降臨」でサルタヒコと最初に対面したとされるアメノウズメを祭る。
今年2月から本殿の修復と耐震化などの第一期造営工事が行われていた同神社。同祭は、仮殿に遷(うつ)されていた猿田彦大神と大田命の2柱の神様を、新しくなった本殿に戻す祭典。約300人の奉拝者が見守る中、絹垣(きんがい)のベールに包まれたご神体が闇夜の中を移動し本殿に納められた。
同祭は、伊勢神宮の内宮(ないくう)と外宮(げくう)の式年遷宮(遷御の儀)が行われた翌年、20年に一度行われている。
同25日には本殿遷座奉祝祭が行われ、宝生流・辰巳満次郎さんによる能の奉納などがあった。