志摩市阿児町志島(しじま)在住で志摩市立安乗(あのり)中学校教頭の向井正明さんが11月4日、水平線から出現した満月がだるまの形に見える「だる満月」の撮影に成功した。
中学生に陸上競技などを教える向井さんは、自宅の前から上がる朝日をほぼ毎日撮影したり、伊勢志摩の絶景を撮影したりするカメラマンでもある。これまでも「リンゴの形をした朝日」や太陽がだるまの形のように見える「だるま朝日」などの撮影に成功している。
「だる満月」の名付け親は向井さんの娘。「だる満月」は、大気と海面の温度差によって海面近くの大気の層がレンズの役割をして屈折するために2つの月が重なったように見える自然現象のこと。温度差がある冬場に見るチャンスは増えるが11月に見ることができるのは珍しい。太陽の場合は「だるま朝日」などと呼ばれている。「だるま朝日」もなかなか見ることができないが、「だる満月」が見ることができる確率はさらに低い。
向井さんはこの日、17時20分ごろ水平線から出る満月を撮影。「風があり寒かったが、その分雲が無くなって水平線から上がってくれたのでよかった。絶好のチャンスだと思ったので、久しぶりに三脚を出してセットして待った」と説明する。
「あきらめずに満月の日と時間をチェックし、続けて待った。満月の日が雨になっても、確認していた。何回空振りしてもチャンスはある。人生も同じ。あきらめずに準備をしながら、生きていれば必ずチャンスがめぐってくる」と話す。